地下遺構大迷宮と女冒険者達　シノン編1：第6話

地下遺構大迷宮と女冒険者達

2020年6月28日

995 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/07(土) 22:30:27 ID:1xGuteDU

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996 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/07(土) 22:31:15 ID:X6Xf01rG: ノ
997 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/07(土) 22:31:29 ID:mP9olWi9: ノ
998 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/07(土) 22:31:45 ID:GHSsKk6G: ノ
999 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/07(土) 22:34:01 ID:1xGuteDU: || 　 | 　　　　 |　　　|| ||[]|| || || || || || || || || || || || || || || || || || || || || || || || || || || || || || || || || || || ||　　 |　　　　　 |　　||
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┃　　冒険者ギルドの受付前は、昼前でも冒険者が入れ替わり立ち替わり通っていく。
┃
┃　　そんな中に、一時間ほど立ったり座ったりを繰り返す冒険者がいればいやでも目立つだろう。
┃
┗
1000 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/07(土) 22:34:27 ID:s0rlO8Hk: 通報しなきゃ（使命感）
1001 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/07(土) 22:36:32 ID:1xGuteDU: 　　 ::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : .
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┃
┃　　当の男は全く意に介していなかったが、それも当然のこと。
┃
┃　　憧れの人、恋い焦がれた女冒険者と約束して、二人で遊ぶ。
┃
┃　　そんな一大イベントを控えて、見知らぬ他人の視線を気にする者がいるだろうか？
┃
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1002 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/07(土) 22:40:06 ID:1xGuteDU: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｉ:. :. :.{　　　∠=ミ:. :. ､:. :. i:. i
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┃
┃　　時計を見る。立ち上がる。歩き回る。また時計を見る。しゃがみ込む。
┃
┃　　挙動不審な男を怪訝そうな目で見る者が多数、事情を知っていて生暖かい目で見守る者がごく少数。
┃
┃　　何を思ったか営業をかけた華姫が一人。あっさり振られてさらりと離れていく。
┃
┗
1003 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/07(土) 22:41:39 ID:EFJDq5JS: (*´ω｀*) （生暖かい目）
1004 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/07(土) 22:42:09 ID:mP9olWi9: これは事情知ってたら生暖かい目で見るな
1005 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/07(土) 22:43:41 ID:1xGuteDU: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ｰi y' .
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┃
┃　　もう間もなく十二時。約束の時間。
┃
┃　　にも関わらず、シノンの姿は未だこの場になかった。
┃
┃　　あの人に限って遅刻はないだろうし、まさか何事かあったのではと気を揉み始めたその矢先。
┃
┗
1006 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/07(土) 22:45:06 ID:1xGuteDU: 　　　　/: .: .: .: .: . : ./　　　 _,,.-‐''" 　　 /　/　　　　　　　/￣||　　　　　　　　 |: .: .: .: .
　　　　/: .: .: .: .: .: . _,,.-‐'':　:　:　:　:　三二ﾆ ―　　　　 /　 ||　　 |￣|| | || | ||　|: .: .: .: .
　　　 /: .: .: .: .: .: .//::　:　:　:　:　:　:　: /　/　　　　三二/　 || ―　|　 || |_|| |_||　|: .: .: .: .
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　　 /: .: .: .: .: .: .//:　:　:　:　ヽヾ｀;;:} 三二ﾆ ―　　　/＿_||　　　.|　 ||　　.|　　 |: .: .: .: .: .
　　/: .: .: .: .: .: .//:　:　:　:　Ｚ::::Ｚ,,, /　/　　　　　　　　=￣　　　　　.|＿||　三二ﾆ ―: .: .: .
　 /: .: .: .: .: .: .// :　:　:　:　<:::::::ヽ:::＞'　　　　　　　　　　　　　　　＿ l　　 ||￣|| .: .: .:
　/: .: .: 三二ﾆ ―　:　:　＜:::::/￣,　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＿|| 　　/　// .: .: .
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1007 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/07(土) 22:45:26 ID:s0rlO8Hk: デートの時間だオラァ！
1008 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/07(土) 22:47:46 ID:1xGuteDU: 　　　　　　　　　　　／＼　　　／　　 ..,, ＿＿＿＿_ ,,.. 　　＼　　ﾉ＼
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　【シノン】　――ごめんなさい、こんなギリギリになるつもりはなかったの。

　　　　　　　出る間際に一悶着あってね……。

　【中堅】　　大変ですね。でも、むしろ時間ぴったりですよ、ほら。

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┃
┃　　ここまで走ってきたらしく、うっすらと汗をにじませたシノンが飛び込んでくる。
┃
┃　　頭を下げるシノンに、男は三本の針がちょうど重なった時計を見せた。
┃
┃　　外では教会の鐘もカーン、カーンと鳴り始めている。
┃
┗
1009 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/07(土) 22:48:22 ID:s0rlO8Hk: 何があったんだろう？
1010 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/07(土) 22:49:47 ID:X6Xf01rG: 何かあったのかしら
1011 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/07(土) 22:53:09 ID:1xGuteDU: 　　　　　　　　　　／ : : : : : :∨: : : : :: : : : : : : : : : : : :＜、; : : : : : : : : ∨
　　　　　　　／: : : : : : : : : :∨: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＜、; : : : : :∨
　　　　　／: ;、: : : : :/ : :i : :∨: : : : : :ﾍ: : : : : : :＞＜; ; : : : : :＜＿: : ＼
　　　　／／/ |: : : : /.: : : | : : ＼: : : : : :ﾍ;: : : : : : : : :.ヽ＞──＜: : : : : :＼＿
　　　　// 　 /: :|: : : :/: : : : :| : : : : ＼: : : : :ﾍト、: : : : : |: : : : : : : : : : : :∨￣￣
　　　　/　　 /: : :|: : : |: : : : :∧: : : : : : :＼: : : :ﾍ　＼: : : :.|: : : : : :|: :、: : : :∨
　　　　　　 /: : : : |: : :|: : : : :|　∨: : ∨: : : ＼: : ﾍ　 ∨: : :|: i: : : :|: : :＼: : : :＼
　　　　 /: : : : : | : : |: : : :.|＿ ∨: : ∨: [三三}、;　＿∨:|: |: : :.|: : ／/ﾍ: : : : ＼
　　 _,.．イ: : : : : : : |: : :|: : : |　　｀＼: : |∨: :＼|　ヾ´　　∨|::|: : :.|／//o/ﾍ: :＜: ; ;＜＿
-‐'''; : : : : : : : : : :／d : :|: : |尓竓芹ミ::|　＼: ﾍ　 x竓芹行| : :,/ﾍ/o/o//ﾍ.＜＼￣￣
￣￣￣￣￣￣くo//∧; : : ﾍ,弋汐　ヽ　　ヽ;ﾍ　弋汐　 |: :/=}}ﾍ//／ : : : : :＼
　　　　　＞ニニ＼/o∧: : : |　　　　　　　　　ヾ　　　　 |: ∧∥::::::＼ : : : : : : : ＼
　　　//´´ .／: : : :.＼,へ; : :∨　　　　　　.:i　　　　　　　 |∧ノ::::::::::::::/＼: : : : : : : ∨
　　 ∥　.／: : : : : :／:::::∧＼:∨　　　　　　　　　　 /:::::|::::/:::::::/　　＼: : : : : :.∨
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　　　　 ∨: : | ,＿ト、　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞─''　　　　　　　　 /　　　}: /
　　　　　 {: : :| {　　└ヘ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´￣/　　　 |/
　　　　　ﾍ: :|　|　　　　　丶、　　　　　　　　　　　　　　　　　＜　　　/- 、
　　　　　　ﾍ|ゝ'＿＿＿　　　ー─－--　..,,／　＼,. -－'‘　　　　　　　＿ﾍ
　　　　　＞　／: : : : : : : ｀丶、　　　　　　》＼　／《　　　　　　　　 ,. - ＜ ∧｀ﾍ
　　　　　{ イ: : : : : : : : : : : : : :＼　　　　　∨ 　　　∨　　　　　　　/: : : : : /: : 《oﾍ
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　【シノン】　狙ってなんかないからね。

　【中堅】　分かってますよ、普段のシノンさんなら早めに来るでしょ。

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┃
┃　　男はさらりと流した。
┃
┃　　例えばもし寝坊したのなら正直にそう言うタイプだと理解していた。
┃
┃　　だから、彼女が言わないのなら、本当に割とどうでも良いことで時間を取られてしまったのだろうと。
┃
┗
1012 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/07(土) 22:56:08 ID:1xGuteDU: 　　　　　　　　　　　　　　　　 _.ｨ: ´: : :'; ＜ _
　　　　　　　　　　　　　＞´:¨: : : : : : : : :､ : : ｀:＜
　　　　　　　　　　　／:／: : : : : : : : : : : :ヽ: : : : :∨
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　　　　　　　　　 , ′: : : : : : : : :l: : :l : : : : : : ': : : : : ∨
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　　　　　　／´i/: :i: :i:/　V : : : i : /　＼:ヽ: : : : :ﾚ: : : :ミﾞ
　　　　　　　　 !: : i V ､__ ∨:-=!:/__　-‐ﾞー､ｨﾆヽ; : ＼｀
　　　　　　　　 !: : i: :i　ｨ示ミ､: ソ　ｨ示ミ　i;;Y;Y;ji: :≧=-
　　　　　　　　 /: : ﾊ i､　込ｿ V从ヽ､　込ｿ　/;!;;();;i: :ﾊ:i
　　　　　　 -=彡ｲ:i i:ﾊ　〃　　､　　　〃／ｲ￣: : :V
　　　　　　　　　 /ｲ !: :∧　　　　　　　　　⌒ﾉ: : : :ﾚﾞヽ!
　　　　　　　　　　　j : : 込　　- ー､　　 _ イ: : : :/:ﾄ､
　　　　　　　　　　　i: : ｛⌒￣¨'　ー-‐'"　/: : : /i/___!
　　　　　　　　　　　V : i_　　　　　　　　 !: : :/ /　　i
　　　　　　　 γー｛＼ i ＼__／^＼_ -‐ .l: :/　　　人__
　　　　　　　 / /＝=＞ミ　　l ＼／l　　　.i:/_＞"＝= __ ｀ヽ
　　　　　　 ,' //..............｀＞､　　　　　 _＞".........i........｀i l 　ﾞ,
　　　　　　 '　ヽV...i................i/｀ヽ--‐イ.....................l.,'..__ﾉ/　　 i
　　　　　 V　　ﾟi i...Yー‐-､/　　　　 !..._＿_＿....i...∥。　　 /
　　　　 V＝＝ヽ＼.ﾟ...__イ､　 ,′__ -i､.....。....._i.,'...∥。　　ｲ
　　　　 !　　r--＼ヽ.../ヽﾐ､/ｨ'´　 /....＞.＜...,'.....ヾ　　 .,'::i
　　　　 L==(ニﾆヽY＼＼. .Y. . . . .!.........i..i......,′....j i 　 ,'::::i
　　　　　!　　ir=＝ヽ:i:i:i!/ﾊ. .!. .イ-‐⌒ヽ:i:i:ヽ′....∥　 ,':::::::!
　　　　 ! 　 ∥.....Y:i:i:i:i:!/ｲ-／二ヽ　　　V:i,′.／　　ｲ!::::::::!
　　　｛　 ∥ー- ﾆﾆ二=＝￣　ヽi　　　!.....</　　 ./:il:::::::::i
　　　｛　⌒ヽ─"￣　　　　　　　 il　　　i.....//　　/:::::ii:::::::::!
──────────────────────────────────────────────────
　【シノン】　そういう君は、一体いつから待ってたのよ？

　【中堅】　全然待ってないですよ？

　【シノン】　バレバレの嘘をつくのは感心しないわ。まったくもう……。

┏
┃
┃　　一時間。客観的に見れば十分待たされたといえるが、男の方はそう思っていない。
┃
┃　　自分が楽しみにしすぎて早く来ていただけだと思っているし、待っていた時間もあっという間に過ぎ去ったから。
┃
┗
1013 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/07(土) 22:59:46 ID:1xGuteDU: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　--　 _　　＿
　　　　　　　　　　　　　_, 　　´　　　　　　、　／
　　　　　　　　　　、-_´,　　=- 　、　　　　　＼
　　　　　　　　　　　／　　ﾄ、　　`ヽ、_　　　＼
　　　　　　　　　　　　l　l　　l　ヽ{｀　￣　　　　　 r-
　　　　　　　　　　/　 l　l＼ {＼><_,, i　 V　　　　ヽ
　　　　　　　　　 / ｲl ゝli　= V,ｨ芯 7li 　〉,、　 l、＼
　　　　　　　　　　　l li　ﾄゝ_ム弋:ﾉ　l ﾚ;;;;;へ　 l,ヽ⌒
　　　　　　　　　　　',{ ＼{ '　　　 ' ' '' l/Y<　　｀_　-ﾐ
　　　　　　　　　　　　　 li　　_,　-　　　/ lﾄ、　　ヽ-､ヽ
　　　　　　　　　　　　　 l　ﾄ　　　　／,-┘~ ＼　N　ヽ}
　　　　　　　　　　　　　ヾKﾆ＞≦-'　　／〃-ヽ-、
　　　　　　　　　　　　　　ﾄ、　┌┐　　 7 /ﾞﾞﾞﾞﾞヾ;,,　ヽ
　　　　　　　　　　　　　//ヽ_＝v v＝＝ﾞ /: : : : : :ﾞ;; 　 Y
　　　　　　　　　　　　　l/: : : :lii￣il l`─ ': : ::、: : i;;; 　　 l
　　　　　　　　　　　　　V---li,　ril l ──┐V: : ヾ;;;,,,　ﾄ、
　　　　　　　　　　　　　 {ヾ,,;ィi;ﾊ<il l;;、 o ,,ｨ: : 、 : : : ヾ;,, ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　 l: :l /i;;{ };;;il l: :ﾞﾞYﾞ: :l: : :＼: : : : :;;　入　＼
　　　　　　　　　　　　　 }:/://＜＞=ﾍ: : }: /: : : /ヽ _,,,,;;;;ノ　l　　＼
　　　　　　　　　　　　／/://､ﾟo ﾟ_ﾉ il lト:l:/: : イ、　＼　　　/∧　　　＼＿＿
　　　　　　　　　　　/ﾆﾆﾆ ]　 li　　 r====ﾐ _:∧',　　 Y=-': : : : ヽ　　　　＼
　　　　　　　　　　　⌒＼T　　li　　└====-　＼ヽ　　ヽ: : : : : : ﾑ、　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　 /l　　lil　　　 l:::::l_,/_ ＼|　 '、　　ゝ: : : : : : ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　/7　　lil　　　 l彡 7　l￣li　　l　　　 V: : : : : : ＼　￣￣
──────────────────────────────────────────────────
　【中堅】　それに、今日のシノンさん、いつもよりちょっとおしゃれしてるじゃないですか。

　　　　　可愛いですよ、似合ってます。

　【シノン】　……！

　　　　　　　そういうのは、気づいても口にしないの！減点よ、減点10！

┏
┃
┃　　例えば銀のネックレスとか、ほんの少し明るいメイクとか。
┃
┃　　普段と違いすぎない程度に、でもさりげなく変わっているシノンの格好を褒める男。
┃
┃　　シノンは顔を赤くして、思わずそっぽを向いた。
┃
┗
1014 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/07(土) 23:00:56 ID:e+czqSIz: 加点１０
1015 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/07(土) 23:01:40 ID:X6Xf01rG: こっちにとってはかわいい姿が見れて+三桁なんだよなぁ！照れてる姿可愛い
1016 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/07(土) 23:02:04 ID:1xGuteDU: 　　　　　　　　　　　　　／　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　い　ヽ　　　　ヽ
　　　　　　　　　　 /　　 /　　　　　　　 |　　||　 :|　　〉　　い
　　　　　　　　　　　/ 　 /　　　　　　 /　 ∧　|　　||　.:| 　 /　　　 |　,
　　　　　　　 /　　/ .:| :::.　　　.:/　　　∧.|　　||　:| 　/、　 .　 |　'
.　　　　　　　／イ / .::::| :::::.　 .::/ 　／　 }.|　　||　|二〉 ∨　:.　| | ':,
　　　　　　　／´⌒ |/ .:::::::| :::::::::::/　／　　　 |___∥_　/　　 ∨ ::. | |:.. ＼
　　　　　　　　　　／.::::::　┌―‐,┐´ __`ｈ､　 lｰ∥‐ /　__／ぃ :::. ､|⌒～＼
　　　　　　　／.::::::／::/ |0　0.| | xｱ´_)㍉ﾐー ∥ j/ xｱ´!㍉ }l:::::. 、
　　　　　　ｰ一''"´ﾉ:/::{　|　0　| | 人 {ｌ:り:〉 i`|∥ /　ｲlり〉 }`八:::::. 、
　　　　　　　　　　 /:/:::∧　r==彡ﾍ///`ｰ　ノｲ| /　　ｰ////::! |＼:.乂
　　　　　　　　 {∧::::::::∨:::|::: |＼乂////　　 |′ 〉　　　/::::|┘　⌒
　　　　　　　　　　　　ヽ::::::|:::: !::. |　 ⌒ヽ　　　　　　　　　u　::::八
　　　　　　　　　　　　　Уl|::　|{　|＼　　　　　　　　､　　　ｲ　::::| :}
　　　　　　　　　　　　/⌒ l|:　从 |＼)h､　　　　´　　　／Y|　::::|　|
　　　　　　　　 /　　从　　弋、⌒｀`''ｰ　　__,､イ-‐彡　:::|　八
　　　　　　　　　人　　 {{∧　　|⌒＼　　　　　　　　　 |　 | ./ヽ
　　　　　／￣　ﾉ＼从 ∧　 |__　　　　　　__　　　,.ｲ| ./}/　 /`～､
　　　　　　/　 /i彡'´￣＼＼∧　|｀`～､､rｧ㌢~㍉r､ヽ`｀ﾉｲ,:′ /ミﾒ､い
　　　　 /　 //|　 |:.　　　＼)人八　　　r`㍉zzｧ'´Ｙ　／　／　.:::::〉〉　',
　　　　　l O〈〈 .:|.:::|:::.y　　　｀`～､　　　:|:|　　　　|::| ／_,.､イ　　.:::::::{ {　　'
.　　　　l　　〉〉::|:::|::/　　　　　　　　≧s｡,~　　　　､イ￣　　　　 |.::::::::ヾ〉　 }
　　　　 l O // ::::|::|/　　　　　　　　 | |　　　￣￣| |　　　　　　 |::::: 〈〈_O八
.　　　l　_//　　:|〈　　__＿　　　　 | |　　　　　 | |　　　　　　　 |:::/ ∧∨　 |
　　　r人/r'　　　|:::　　|｢￣￣￣ ||| |＼　　..::{　 | ||｢￣￣￣ ||　 }:::::::..∧∨O|
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　【シノン】　…………まぁ、ちゃんと気づいてくれたのは高評価よ。加点11ね。

┏
┃
┃　　そして、ささやき声でつぶやいた。
┃
┃　　少しだけ反省していた男の表情が、パッと明るくなる。
┃
┗
1017 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/07(土) 23:02:31 ID:s0rlO8Hk: ああ＾～
1018 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/07(土) 23:03:54 ID:X6Xf01rG: 一点増えてる辺りいいっすねぇ！
1019 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/07(土) 23:05:33 ID:1xGuteDU: 　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ{
　　　　　　　　　　　_､+''"~ ￣　　ミｈ､
.　　　　　　＿／　　　 |　＼　　　　｀`
　　　　　　　フ　　　　 l　　　＼　　　　ﾐh､
　　　　　　　 '　　　　　　　　　　ヽ　　　　 `～､
　　　　　 ,' 　 /　　　　　　∧　　　　ﾄ　　　 (⌒
　　　　　　　　/　 /　　　　/　　　　 | ‘，　 ‘，
　　　　　　 |　/　　　　　　/　　　',　　　 ‘，.| 　＼
　　　　　　/　　　/　　　 / ~"''～ !　　,' '"~ } |　 {⌒
　　　　　　7 _ ／　.┌‐┐xｆ筏㍉ !　 / ｨ巧ｧ |　/
..　　　　　⌒　!　/r .|::::: |　 Vｚｿ　}／　乂ｿ　∨
　　　　　　　 |/|八├‐┤ ./././.　　　 `././| 八
　　　　　　　　　＼ |　　ゝ　　　　 _,,....,,_ 人　＼
　　　　　　　　　从　　　ト _。r≦　　　〕iト -､ `､
　　　　　　　　　　 _ ヽ　 ‘，　　　　　　　　ﾉ::::∨
　　　　　　　　　-=ﾆ　　＼　　　_,,....,,_　　　.〈::::::::‘，
.　　　　　　八　　　　＿＼{./　　　＼　　}:::::::::::}
￣￣￣"''～''"~ 〉　＞''~　　/ 　＼◯.　　＼ｒ}::::::::/
　　　　　　 /／　 /　　. : : : : : .　◯　　＼＼_＼
～～､、＿　_､‐''゛　 /　　./: : : : : : : ＼　　　 `､　　}
--─　￣￣　　　　/　　 /: : : : :＼: : : : :ゝ､.-=- ゝﾉ
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　　　　　　　｀`～､、‘，　　＼.: : : : .|i: : : : : : : |＼: : :　　　＼
　　　　　　　　　　＿ }　 -=-　＼.. : : : : : : : :..:.| 　＼: : ＼　ヾ＼
　　　　　　　　　 /ニ＼　　　　　　＼: : : : : : : : |　　　 : : ＼　　＼
　　　　　　　 /ニﾆニ＼　　　　 | ＼_:_:_:_:_:_＼　　　＼: : ＼　　＼
──────────────────────────────────────────────────
　【シノン】　……じゃ、行きましょ。時間は有限よ？

┏
┃
┃　　そう言って、シノンは右手を差し出した。
┃
┃　　男も、黙って頷いてその手を取った。
┃
┗
1020 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/07(土) 23:07:57 ID:gxXS4ftv: 一点増やすとか可愛すぎか？？？
1021 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/07(土) 23:08:00 ID:1xGuteDU: 　　　　　　　　　 -‐=＝=‐-
　　　　＿＞''"...................................｀`～､、
　　　⌒＞..............／..／...................................＼
　　　／..............／..／..............................................＼
　／................................./::|........................／................＼
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/...... ＼ .................... ┌─‐┐＿／ __ 　　 |...ﾉ .... |
／　l　/＼＿＿＿__|.ニニ.| 　　　＼　 |/...... ﾉ|
　　 |/.............. ／../^|.ニニ.|　　了ミぅ､ヽﾉ....／...|
　　 |.... |..................{.:ﾊ |￣...＼　　乂 {ﾘ　/／} ::::: |
　　 |.../|......}............＼_|.............|＼.__　　 /　乂_ 人|
　　八|｜..ハ.......... 从|...|... ヽ|　　　; ; ; ;　　 /
　　　　 ∨　 }ハ /　｜.|....... |　　　　、_ ∧
　　　　　 _＿／　　八.......八　　　　　 ......' ,
　　　　＿/　　￣｀`～､＼......＼::..　　　 ∧ ....
　　／＼　　　　　　　　　＼......＼≧=- 　`､..}
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┏
┃
┃　　横に並ぶ。肩が触れ合うほどまで近づく距離。
┃
┃　　かすかに香る花のような甘さは、控えめに纏った香水。
┃
┃　　もう一度口に出したりはしないけど、また一ついつもの彼女と違うところを見つけた気がした。
┃
┗
1022 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/07(土) 23:09:08 ID:mP9olWi9: 良い雰囲気だ
1023 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/07(土) 23:11:30 ID:1xGuteDU: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l ヽ　　　　　　　∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　ヽ　　　　　　　 V
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　ヽ　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l 　ﾍ　　　　　　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　 /　　　　　　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　/　　　　　　　　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　 /　　　　　　　　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　　　　　　　　　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l /　　　　　　　　　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l }　　　　　　　　　　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l j　　　　__::::　　　　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i/　　　/-‐、　　　　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　/ }　　.lヽ　　　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　/　 l　　ヽ　　　　.j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　./　　l　　　l　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　ノﾍ　　l　　　l　　　 /つ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `-‐'　 rｲ.　 '、__ jl　　　/- 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽt　ゝ__ﾉｲ、　/-- '
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ＼　　ヽ　 /== __
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣＼　　ヽ、__　__ )
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -　_　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ` -'

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┏
┃
┃　　どちらからともなく、指と指を絡め合う。
┃
┃　　二人とも、ただ、そうしたい……と思ったから。
┃
┗
1024 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/07(土) 23:13:23 ID:s0rlO8Hk: あらあらうふふ
1025 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/07(土) 23:14:10 ID:1xGuteDU: i　　　　/　　　　／　|　＼|／
|　　　　　　　／　　　＼／
　　 /　　／ ,へ　　　　　　＿--　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (
＼　　／　　 Υ　 -─ ￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(´~
　ヽ　　　　-‐ ￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(´⌒´"
.　　|　　　──　──── ─ ─── ‐‐ ‐　　　　　　　　ゝ-'´⌒´ (　（,,,,,
　 /　　へ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (´⌒''´｀´　　　(,,,,,´(⌒ヽ
／　　　ゝ　　ヽ　　　ヘ　　　　　　　　　　 (´~'　（´( (⌒` （´⌒´
　＊＼　＼　　　ヾ　　　　　ヘ　　　　　￣￣`ｰ─── ─- - ---
　ヾ＊　　　　＼　　　　ヽ　　　　　　　　ヘ
l　　＼ △　　　　　＼　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　ヘ
| 　､　　 .,へ　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　丶
　　 t 　　 Υ　＼　　　　　＼　　　　　　　丶
.|　　ヽ　　　　 .,ゝ､　　　　　＼　　　ゝへ、
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　|　　　　＼　　｀ ´　／＼＼　　　　　　ヽヽ／
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　 |　　　　　　＼　　　｀´ 　　　　＼　　　　　＼　 ! 　　　　 !
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┏
┃
┃　　数多の視線達に見送られながら。
┃
┃　　二人は青空の下へ、デートに繰り出した。
┃
┗
1026 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/07(土) 23:14:15 ID:X6Xf01rG: いいねぇ…実に良い
1027 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/07(土) 23:14:22 ID:1xGuteDU: ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;;::,;;,

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;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;;;:;:;:.;:;:.,::;:.;.;:.;:;,,.:;:,,.. :.;..

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;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;;::,.;;:;:,.;;:;::....,,.,.
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;;,;:.:;;:;:.::.,,.
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;;:,:.:;:.::,,..,,,...,

;;;;;;;;;;;;;;;;,;:.,:;.,.;:.:;,:;.. ..,,. .. .
;;:;;:.,;:,.:,.:.,,..,.,...:.,.:
1028 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/07(土) 23:18:34 ID:1xGuteDU: 　　 ┌─────────────────┐　　　　　　|l::i:::|
　　 │:::::::::::::::　羽　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　尸　:::::: : │　　　　　　|::;::i:|　　　　　　　　　 -=ﾆ＝─ =イ
　　 │:::::::::::::::　卒　::　MIDORI　YA　::　/至　::::: : │　　　　　　|i;:l;::|　　　　　イ　　　　　ﾐ _　　＼
──┤::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ├────────　　　　　　　 l　　　　　　ヽ
─────────────────────────────　 /　　　　　　　l　　　 i、　　ﾊ
　|: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :_＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿　　 l　　 l　　 l　　∧ 　　　l V　　ﾄ、
　|: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.._　　-‐ | 　　 |l:i::|　　　　　　　　　　　 l 　　l　　 l　 /　V,　　 l　V l　 l⌒
　|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿　　 -‐　　　　　 | 　　 |:;:i:|　　　　　　　　　　　 l 　　l　　 l-/‐-　彡ｲ il ⌒V 　l
　|　　　　　　　 |;i::|　　　|　　　　　　　　　_|_＿＿|i;:l:|＿＿＿＿＿＿　　人ﾉ__l　　 l./ 　　　＼　l ,ｧ=ﾐﾊ}
　|　　　　　　　 |:::l|　　　|　　_　-‐=＝ﾆ二 |_＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿　　 l ﾟ。l　　 l,ｨf云ミ　　ヽｲ:;..l　从
　|二二二二二二二二二二|二ﾆ=＝‐　￣　 :| 　　 |l:i::|=============　　/ ￣l 　　l弋_.:j 　　　　ゝ ' んﾊ
　|;::i;:::l::;:::::::l;::;:::i::;li:il|:il:|　　 | 　 _介　　　　 :| 　　 |:;:i:||l　　|　　|;|:|l　　|　 /ﾍ　,ｲ　　人 ' ' '　　　、 ' ' 'ﾊ　lヽ
　|六六六六六|::::::li|::::|　　 |　　乢_{i　　　　 | 　　 |i;:l:||l‐‐┼‐‐|:|;|l‐‐┼‐　 }/ l /ヽ、ﾄ、　、　, 　ｲ、 ∨
　|＼／＼／　 |::::::li|::::|　　 |　　 :|i 　　　　 :| 　　 |l:i::||l　　|　　|;|:|l　　|　　　　 l/　ハ{　　≧　 _,ｨ,ﾕ-、]
　|／＼／＼／|::::::li|::::|　　 |　　　　　　　　　 | 　　 |:;:i:||l‐‐┼‐‐|:|;|l‐‐┼‐　 ___ ,ィ｀ヽ、　　　｀ﾉ;;;;;;;;;,,,、
　|＼／＼／＼|::::::li|::::|　　 |　　　　　　　　　 | 　　 |i;:l:||l　　|　　|;|:|l　　|　　 {: : : : :＼　　ゝ--　〈;;ｨ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i __
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : : : : :/　　　￣/i　　　l　　 Vii　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/: : : : :入　　　　 //　　　 l 　　 liii　 l
──────────────────────────────────────────────────
　【シノン】　――そうね、まずはお昼ご飯からにしましょうか。

　　　　　　　お腹もすいてるしね。

　【中堅】　　もしかして、朝ご飯抜きなんです？

┏
┃
┃　　シノンはこくりと頷いた。
┃
┃　　逆に男も早起きしすぎたせいで腹の虫が鳴き始めている。
┃
┃　　二人は手を繋いだまま、シノンのおすすめだという喫茶店に入る。
┃
┗
1029 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/07(土) 23:20:48 ID:1xGuteDU: 　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
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　　　　　　⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒|＿＿＿＿|＿|⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒|＿|＿＿___＿|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　|　　　　　.|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|＿|＿＿__|＿|
　　　　　　　　|　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　||＿＿|
　　　　　　　　| 次やれば必ずお前が勝つ！！.　 |そうだ！お前なら出来る！　　　 |＿|＿|
　　　　　　　　 |＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿　＿＿＿|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　,/;:;;ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|. 　 ∨|　　　|￣|/￣￣￣￣￣￣￣￣￣.|￣￣|￣￣/;;;:;::;ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　∧＿∧　　　＿＿∧∧_＿ ∧∧＿∧＿∧＿＿　∧＿∧＿＿＿ /,;;;;;;;;;;;ヽ
　　　　∥￣￣￣￣￣￣￣￣∥´）　∥　　 (ﾟДﾟ,,) 　(ﾟДﾟ,,)　　∥∥ ）＿_　（・∀・　）　　　　∥ l!ﾘl
　　　　∥ 　　　　　　　　∥　⊃. i三i日とと i三i 日0 l　　∥∥　⊃/ヽヽ￣ヽと）　　.　 ∥iiiiiiiiiiii］
　　　　∥ 　　　　　　　　￣￣l＝＝＝＝＝＝＝＝| ￣　∥ .￣￣l ＝＝＝＝＝|￣￣∥:::::::::::l
　　　　∥＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_|＿＿__∪∪＿_∪∪|＿＿∥＿＿__|＿_しし_＿＿|＿＿∥:::::::::::l
──────────────────────────────────────────────────

┏
┃
┃　　ちょうど昼時、店内はお客さんのほどよい喧噪で満ちていた。
┃
┃　　これは待たされるか、と男は身構えたが、予想に反してすぐに窓ぎわの席へ案内される。
┃
┃　　窓越しの暖かい日差しが、やさしく二人を照らした。
┃
┗
1030 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/07(土) 23:22:57 ID:e+czqSIz: あの席の客になにが…
1031 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/07(土) 23:24:31 ID:1xGuteDU: 　　　　　　　　　　、
　　　　　　　　　　＿ _＼
　　　　　　_ -=二: : -- ミ:}:--=…=--: :.ミ
　　　　　　　　／: : : :-: :/:;ﾍ: : : : : /: :∨: ヽ
　　　　　　　ｨ:／/: : : : /:/: : : : : : : :∧:∨: : :.
　　　　　　 /　　/: : : : /::;:|: :|:| : : : : : ∧:∨: : ::
　　　　　　　　 .: : : : /::/::|: :|:|∧: : : : ::∧:∨: :|
　　　　　　　　/‘!: : : : : !斗-H　 ∨‐H- ∧:∨:|
　　　　　　　　{　|: |: {: : | ｨたﾐ　　　ｲたミ　}: ∨
　　　　　　　　 l:∧ﾊ : !　之ﾘ　　　之ﾘ'　|:: :}＼
　　　　　　　　　　　И::ﾊ　　　　 '　　　　　,: :/　　>
　　　　　　　　　　　　｀ヽ:: . 　 ‘　'　　　ｨ ∧ ／
　　　　　　　　　　　　　　}: : ＞　 _　　イ/:/ ∧:..、
　　　　　　　　　　　__,,_ ∧: :}ィﾍj 　　_{: :!.、 ∧: ＼
　　　　　　　　　彳　　　ヽ} |ﾆ∧-＜ﾆ|: :|ハ___};_;;_:}__
　　　　　　　　〃　　　　　 }::|二∧,:仁/: /ﾆﾆ>　　　｀ヾ}
　　　　　　　　{{　　　　　从二／ﾆ /: /rf´ﾞ　　　　　　}-: . _
　　　　　　　　，　　　　 /:/＞∠-- }: |　　　　　　　　 ,: : : : :ヽ
　　　　　　　　〉　　　／}:/　 --＜_/ /　　　　　　　　/: : : : : :ﾉ
　　　　　　　 ,:仁ゝ／　 /　　-ﾆﾆン:/　　　　　　　　ム-r‐=彡ヽ
　　　　　　「二ﾆ／/　　_. : -==ミ　　　　　　 __,,._ _,;仁′}: : : : : :}
　　　　　 /ニ／ﾆ/　∠,,_,,__ 癶_,,_,__..,,r-=-彡二二ﾆ/　ゞ__: : :_:!
.　　　　 /二二ﾆ/ /ﾆ|　　　　　　　 /二二二二ニﾆ′　　　∨_彡、
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┃
┃　　そのまま注文を訊ねられたので、男は日替わりランチの特大を頼んだ。
┃
┃　　AやBなら分かるが、特大ってなんだ。その疑問に釣られてしまう。
┃
┃　　シノンの方は、いつものでお願い、と言うだけでウェイターが頷いた。立派な常連だったらしい。
┃
┗
1032 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/07(土) 23:25:36 ID:X6Xf01rG: 特大は結構量ありそうだな
1033 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/07(土) 23:26:41 ID:s0rlO8Hk: 知らずに頼むと大体後悔するやつ
1034 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/07(土) 23:29:04 ID:1xGuteDU: : : : : : : : :/ '; : : :ﾊ : : |: : : : : / ､: : : ;'　'∧: : : : : : : : : : : : : :'; : : : : :',　ヾ
: : |: : : : /　 '; : : :ﾊ:: ::|: : : : :;≧､＼_'　　.'∧: : : :ﾔ: : : : : : ﾏ:}!: : : : : :'/
: : |: : : /.　　 ';|:: :::ﾊ ::|: : : : ,: : : :｀ ;' 　　 '∧: : ::ﾔ: : |: : : ::ﾔ|:: : : : : ::'/
: : |: : /　　　 ';: : : ﾊ: ﾏ: : : |: : : : :;.　　　 '∧ : : ﾏ: :|: : : : ﾔ_:_:_:: : : : '/
: : |: /‐-　 _　 .':===ムﾏ==|: : : :;　　　_　 -‐…､:: ::ﾏ|:。r≦＞ ´|: : : : :∨ ,
ヽ i/　　___　≧ ';: : : ::ムﾏ |: : : ;_ =‐　　　___　　＼: :{{i:i:|i/ヽi:{__}!: : : : : :＼/
i:i:}! r≦:T: :≧s､:';: : : : : :＼ﾏ: :/　　, r≦乍ニ≧､　ヽ{:|:i|ﾑ_ﾉi:i:i:i|: : : : : : : : ＼,
i:i:}〈{　　:|__): : : :}ﾄ､ : : : : : : ＼'､　' ／　:{.__): : : }〃　,{:|:||i:i:i:_i_i:i |ﾄ､: ‐-====--
i:i:}　',　　∨: :{}: }!　∨; : : : : ﾚヽ　　　ﾏ: :{}: :ﾘ' 　 ,:{:|:||i:i:i{__):i_}: : :{　=-
i:i:}:　ヽ　　_=ﾆﾉ　　'∨: : : : :{　　　　　　__ﾏ:_:ノ　　/: {:|:i|i:i:i: ＜|､: : :∨
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: :|: ﾑ　　　　　　　　　　｀　　　　　　　　　　　　　/':: :: : : : : : ::| ∨ /
: :| : :ﾑ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,:':;′: : : : : : : :| . ∨../
: :| ＼:ム　　　　　　､　　　　　 ,　　　　　　 ,ｲ:/′:: :: : : : :: ::|　　∨､/,
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　【シノン】　ここね、マスターのコーヒーと奥さんのケーキが絶品なの。

　　　　　　　君もどう？

　【中堅】　　僕、紅茶派だからいいかな……。

┏
┃
┃　　男はぼんやりとした答えを返しながら、75センチ先にある笑顔を見つめていた。
┃
┃　　普段あまり笑わないと言われている彼女が、年相応に甘い物の話で笑っているのを心に焼き付けていた。
┃
┃　　楽しく会話を弾ませながら、料理が運ばれてくるまでずっと。
┃
┗
1035 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/07(土) 23:31:26 ID:X6Xf01rG: これは目と頭と魂に焼きつけなくては
1036 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/07(土) 23:32:36 ID:1xGuteDU: 　　　┌─────────────────────────────────────┐
　　　└─────────────────────────────────────┘
　　　┌───────────────┐
　　　└───────────────┘
　　　┌───┐
　　　└───┘

..／　ﾉ　　　　　　　. . : : :　　　　｀ :.　　｀ヽ＼　 ',　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　,｡ -… … ‐-｡　＼
. . .／　　　　　　　　⌒丶　　　　　　;　　／／|　 ′　　　　　　　　　　　　　　　　／￣{　／ : : . . . . . : : : :..＼　|＼
／　　　　　　　　　　　;　　　　　ノ　　／／.:.:.:}　　　　　　　　　　　　　　　　　／／⌒|:/: : . . . . .ｃ％: :о: : :.ヽ|　　，
､、: . . .　　　　　. . .ノ　　　　　／／.:.:.:.:／　　}　　　　　　　　　　　　　 |　|　　 |ﾍ: . . .ｏ％ﾟ: : . . . : : . ../.|　　‘
､、｀ヽ､ : : . . .. .　　　　　　　. ....／／:::.:.:.／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨＼___|　＼. . .０. : : :◯ . . ／　| 　　 |
.:.:｀丶､｀`丶. .　　　　　　... : :／／::::.:.:／　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　{＼＿_〕　　｀　　──　　´ 　 /
､、.:.::::::`ヽ､ゝ　__.:.　　. . :／／.:.:.:.:／　　　　　/　　　　　ｒｙ─ｨ＿＿_x㍉　　　 '，　　'，　　　　　　　　　　　/　　 /
　｀`丶､:;:;::.:｀ヽ､. .ゝ __ノ´／.:.:.:::／　　　　　　　　,､<⌒7⌒.:.:.:.:.㍉γ´.:.:.:.:)ト　　　‘，　　ゝ　　　　　　　　　／
、　　　　ヽ､::::;:;:::`ヽ､_: ｨi{i:i:;:;:／　　　　　／ ,､＜.:.:.:＼j/¨⌒7.:.:.:爻ｨｧ'´/⌒V⌒ヽ､　＼　　　 ≧=‐　　‐=≦　　　／
..｀ヽ、　　　ヽ､::;::;:;:;:;;{i:i:i:㌻　　　　　／／_ｱ⌒爻.:.:.:i!.:.:.:.:ﾊ＞==:{:{　 {　　:}　 // ｀丶丶､　　　　　　　　　　,　'゜
　　　｀　 .,_　　　｀`'＜:レ'′　　　_､‐'゛／　狄.:.:.:.:爻.:.:ハ.:.:ﾉ.:.ゝ　　{:{　 {　　:}γ´￣丶　＼　≧=‐　　　‐=≦
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　【ウェイター】　お待たせしました！

　　　　　　　　　シノンさんのデザートとお飲み物は、後でお持ちしますね！

┏
┃
┃　　出てきたのは、いかにも朝ご飯らしいメニュー。
┃
┃　　香ばしく焼き上がったトーストや色鮮やかなサラダが食欲をそそる。
┃
┗
1037 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/07(土) 23:34:47 ID:X6Xf01rG: おー、これはうまそう。
1038 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/07(土) 23:36:16 ID:1xGuteDU: 　　　　　　　　_,,..　-‐　'' "´￣￣｀゛¨ '' ‐-　...,, _
　　　　　＞''" 　　　 ,､＿,､_＿,．'´￣:;｀ヽ、　　　`''＜
　　　／　　　_ｒｆ＾　ﾞ　　／:;:;:;:;:;｀丶、,ィ(ﾆヽ＿＿_ 　＼
　 .／　　　／　,,　^ ﾞﾞ／_:;￣｀ヽ、､ヽﾆ＼ニﾘﾆﾆﾆニ＼　＼
　/　　　　{ ′ ,,　／-＜:;:｀ヽ、;/ニ＼ﾆﾆソﾆﾆﾆﾆﾆﾆ‘,　　、
　|　　　ﾉ＾　,／;:;:;＼....＼;:;ノ＼ﾆﾆﾆ＼/ﾆﾆ[__〉ﾆﾆﾆﾆ'　　 |
　|　　　 ( ,, ''　{:;:;:;:;:;:;:;:;＼....＼ﾆﾆ＼ﾆﾆｿﾆﾆﾆﾆﾆｒへﾆﾆ', 　 |
　∨　　{　、　{:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/＼....ヽﾆﾆソﾆﾆ(＿}ﾆﾆ乂/ﾆﾆ}　 ,
　　、　　､ ,,　＼:;:;:;:;:;:;,ﾆﾆﾆ＼..}㌢ﾆ(三]ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ<ﾔ /　/
　　　、　弋　,, ＾ `''＜;;{ﾆﾆ＞''~ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ「」ﾆﾆﾆﾆﾘ/　/
　　　＼　ヽ　,, 彡彡ｒ}ﾆﾆ「ヽﾆﾆ[＞ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ／／
　　　　　＼　　彡彡彡彡ﾆ＼〉ﾆﾆﾆﾆ[三}ニ＞''"　／
　　　　　　　`''＜　　　 ⌒ヾﾆﾆﾆﾆﾆﾆ_,,.､丶´　＞''"
　　　　　　　　　 ´"'''‐--------------‐'''"´

　　　　　　　　 γ´￣￣｀'ー―――――‐┐
　　　　　　　　　ゝ――'''ﾞ￣￣￣￣￣￣￣
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　【中堅】　おいしそうだ。……同じので、って言ってもよかったかもしれないな。

　【シノン】　それ頼んだ君が満足できる量じゃないと思うけど。おとなしくカレー食べてなさい。

┏
┃
┃　　一方、男の元には大皿のカレーが。
┃
┃　　カラリと揚がった熱々のカツレツが、茶と白の山の真ん中で存在を主張している。
┃
┃　　これは確かに腹にたまりそうだ、と思いながら手を合わせた。
┃
┗
1039 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/07(土) 23:36:43 ID:X6Xf01rG: グワーッ！こっちもこっちでうまそうな奴ぅ！
1040 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/07(土) 23:38:23 ID:1xGuteDU: 　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧　ﾑ　　　　　 ,:::: 　　､　　　　　 i.　　　　　　　γ´￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ー‐.,　u　　　 {:::.　　ﾉ　　　　　├　　　　　　　 |　　も　　　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧　　　　 _｀ー‐' イ⌒} 　　 iヽ　　　‐-　　　i　　ぐ　　 !
　　　　　　　　　　　γ´￣｀ヽ　　　　ｘ≦'　}:, 　　 {ｰ--ｧ==≦´ｒｧ　　 '! ∧ 　　　　　　乂＿＿＿ノ‐-
　　　　　　　　　　　 !　む　 |x≦ 　　　　/　 |∧　　乂ノ;}:::::::::::::}'ﾉ　　 / i　∧　　　　　　　　　　　　　　　　　} ｀ヽ
　　　　　　　　　　　 !　 .し　 j　　　　　　/　　i　＼　〃´:::::::::::::/ ｀ヽ／　 !　 ∧　　　　　　　　　　　　　 | 　　＼
　　　　　　　　x≦ 八　ゃﾉ　　　　　 /　　 j 　　　>└‐､::ーァ^ヽ　∧ 　 ! 　 '∧　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　ﾏ
　　　 γ〔　　　　　　　ー　´ 　　　　 /　　　 ! 　　　　＼ｰ｀^　イヽ'∧ｒ┴--‐───── ､　　　　　　 ! 　　　乂
.　　　/　 i!　　　　　　　　　　　　 /　　　　 !　　　　　ｱ=､ｆ´ 　　　乂 {ヽ '　　　　ｘ‐‐-　 __　ﾏ　　　　　　 ! 　　　／ j　ヽ
　　 /　　 i!　　　　　　　　　　　　 /　　　　 ! 　　　／>‐┴‐<＼　　｀､ー‐ァ ´　　　　　　　｀}　　　　　 !　　〃 .ノ　　乂
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┃
┃　　――美味い。
┃
┃　　きっとスパイスを何種類も組み合わせて生まれたのであろう味わい深さと、後からやってくる辛さ。
┃
┃　　一気に舌を焼き尽くすようなものではないが、じわりじわりと汗がにじみ出してくる。
┃
┗
1041 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/07(土) 23:39:13 ID:s0rlO8Hk: 俺はエロスレを見てると思ったらメシテロを食らってた何を(ry
1042 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/07(土) 23:40:50 ID:gxXS4ftv: あー、めっちゃうまそう……！！
1043 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/07(土) 23:42:25 ID:1xGuteDU: 　　　　　 _　 -─ ＞--　､　　　　　　　　　　　／／／／
　　　　／＿_ ＜　ミzxミﾐヾx＞　　　　　　　　／／／／
　　　 /　　{////'＞､ミﾐxz､ヾミ＞､　　　　 .／／／／
　　ノ　　 }/////////＼＼ヾミﾐzxξゝ-､／／／／
　　＼　////////////｀ヽ､ヾゞミﾐxzミ／／／／
　　　　｀＜///////////// ＼ヾミ／／／／
　　　　　　　　＜////////////＼ヾ{ソ´ }ヾ／{ミﾐ＼
　　　　　　　　　　＜///////////:＼ミzxﾐミヾxミミ /}
　　　　　　　　　　　　　＜//////////＼ミﾐxzヾゞミ:{/
　　　　　　　　　　　　　｀ <///////// ＼ミヾxミﾐ:/
　　　　　　　　　　　　　＼/////////:＼／ミ/
　　　　　　　　　　　　　　　　＼///////// }:::ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ ‐- ////／
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┃
┃　　カツも美味い。歯ごたえと脂の柔らかさのバランスが良い。
┃
┃　　何の肉かは知らないが、料理人以外は知らない方が良いこともある。いろんな意味で。
┃
┃　　ただ言えるのは、生きてる時の見た目と肉を食らった時の味に相関が全くないと言うことだけだ。
┃
┗
1044 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/07(土) 23:43:56 ID:X6Xf01rG: うわぁ、真面目にうまそう。明日カツ買ってこようかな…
1045 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/07(土) 23:45:06 ID:1xGuteDU: 　　　　　　　　　　,..．‐""￣￣゛゛ヽ､
　　　　　　　　／　 /　　　　　　　　　｀ー-､
　　　　　　/´´ 　　/ /　　　＼　　　　　＼~
　　　　 .//　　　ﾉヽ　l　　　　＼　＼　l　ヽ
　　　　 //　 / ./|　　`､|　 /＼　　｀・､＼　 ':、
　　　ノ l　　| /＿|　　|ヽ /_..．＼　　　|　　ハ
　　／___l　　|/',＝ヽ　| /　,．‐‐､|　　 /　　ハ
　　　　｜　 | 弋:ﾘヽ /　弋:ソ ||　 /　　　|ー-ヽ
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　　　　　　 !k廴　　　ヽ　　　　　/ ---┘/_｀
　　　　　〈＼;;心_　　．　..．　//　　 |∧l　(
　　　　　 !| !　､;;;;)＞　　...．‐'l l　　|＿／　＼
　　　　　 { ∨￣゜¨‐ ／´ .）　 { ll　　|　,／　／＼
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　　　　〈　　　　　 | 　/　 , 　 ,.(　　　 i/　　　　　　/　　 |
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　【シノン】　気に入った？

　【中堅】　もちろん。

┏
┃
┃　　無心でモグモグと食べていく。
┃
┃　　向かいに座るシノンも、それなりの勢いで平らげていく。
┃
┃　　上品さが損なわれないのはさすがだなと男は思った。
┃
┗
1046 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/07(土) 23:45:08 ID:1XZUFnqY: 何の肉かもだが、その肉が生前に何を食ってたかも知らない方がよかったりするよね…
1047 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/07(土) 23:47:21 ID:1xGuteDU: 　　　┌─────────────────────────────────────┐
　　　└─────────────────────────────────────┘
　　　┌───────────────┐
　　　└───────────────┘
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　　　└───┘

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　　　　　　　　　　　　　　 └i ｎﾄ､>　　 /厶__　　　｜|　　　　　　 _｣己　　　くく　　　　＿_
　　　　　　　　　　／＼.　　　 U Ｕ.　　　 └'^ｰ┘　　　ヽﾆフ.　　　（⊆广ﾞ　　　　＼）　　　　つ)
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　【シノン】　ごちそうさまでした。

　【中堅】　ごちそうさま。さすがにこれ以上は入らないな……。

┏
┃
┃　　まずシノンが食べきり、遅れて男が大皿を空にした。
┃
┃　　満足げに笑う二人を見たウェイターが動き出す。
┃
┗
1048 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/07(土) 23:50:18 ID:1xGuteDU: 　　　　　　　　　　　　　　,.,.、
　　　　　　　　　　／⌒V;';';ヽ　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿_
　　　　　　　　／⌒, ' （;';';';';）、　　　　　　　　　|)(＿)(＿)(＿)(__|,^ヽ
　　　　　　　／⌒, '　（(（（））)）＞　、　　　　　　　　|￣￣￣￣￣￣|　| ||
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　　　　／　 l 　　（;;;;;;;;;ヽ　（;;;;;;;;;;;ヽ|￣＼　　r'　　ヽ＿＿＿＿ノ'´ ヽ
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┃
┃　　出てきたのは、シンプルな苺のショートケーキと、マスターのこだわりコーヒー。
┃
┃　　ケーキのラインナップも仕入れ次第の日替わりだから、シノンも初めて食べる。
┃
┗
1049 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/07(土) 23:52:01 ID:1xGuteDU: :/:/:/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:/:
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　ノ/::< : :: :: :: ￣ﾏ￣￣￣　　　／:: :: :: :: :
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　　　　＼└┐:: ／:: :: └､｜:: :: :＼:: :: ::r┘
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　【シノン】　――美味しいっ！

┏
┃
┃　　フォークで丁寧に切って、一口。
┃
┃　　甘くとろける生クリームと、さわやかな苺の酸味が口いっぱいに広がった。
┃
┃　　思わずシノンの表情も崩れる。
┃
┗
1050 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/07(土) 23:54:43 ID:X6Xf01rG: 甘いものは女の子を笑顔にする
1051 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/07(土) 23:55:16 ID:1xGuteDU: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_ ,.　-‐‐-　　 __
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´ 　　　 `､　　　-‐…＝--‐ァ
　　　　　　　　　　　　　　　　／　／　　　 ,.. -‐ヾ´　　￣￣　＜
　　　　　　　　　　　　　 __ ／　／　　　　　　　　　　　　　　　｀丶、
　　　　　　　　　　　 ∠ _.,.:′./　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼｀ヽ、:､＿
　　　　　　　　　　　　　,.:′ ./　　/　　′　　　 ./　　`､　　　　　　ヽ､＼／
　　　　　　　　　　 ,.:′　./　　 { 　 :{　　　　　;′ 　　:}___ ji　　　　 ', ヽ_, ＞
　　　　　　　＜/　／　.,.:' { 　 .{　　 i 　 ,{　　　　 .}￣ハ　　　 }　',
　　　　　　　　　　　ムイ　 .／　　'　　:',　　|　/ j　　　　 :} / -‐＼ ,.. -=ﾐ　}
　　　　　　　　　　　　 /_／　　__八　　＼::|/| _ﾊ_　　　 }´ ,x=ミ　ニニﾆ!/
　　　　　　　　　　 |　￣￣　　　>=- ／ |/-_', r===;　ｨｆ刈 j　|ﾆﾆ＞' ､
　　　　　　　　　 j／} /　　　　 {ニニﾆlｨ炊刈}::　 /　　ゞﾟ′　{｀´　　 `､
　　　　　　　　　　　　　　ﾚ　　 ,　　 {ニニﾆゝ乂ソ　 / 　　　　 ji　　　　　乂__,
　　　　　　　　　　　　 |／{､丶` `''＜ﾆ'　　　ｊ／　　 i　　　八　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　／　　　　　 j/ ､　　　　　 _ 　-‐　　/ ;: ＼＿＿_,... ＞
　　　　　　　　　　　　　　 / 　　　　／乂＼　　　乂__ ノ　ｲ　; /　}: : /: :',
　　　　　　　　　　　 /　　　　／／＼.　｀`～､=‐-　　_／_j_／　/:＼': : : }
　　　　　　　　　　　　　 j_,,.､丶´j／: :＼　｀　-　　　￣￣￣　　／ /: : :/.: :. :.}
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　　　　　　　　　　　　　　八: : : : : : :＼: : `''＜　　　　　　　　／j: : /:. : : : : :.}
　　　　　　　　　　　　 ∧: :`､:::::. : :｀丶、: : :｀: :ー---‐,彳 ./: ;ｲ :, _ : : : : }
　　　　　　　　　　　　　　　 ∧: : ＼::::::::::.: : :＞. :_: : : :＼　 }.} /／人 : : ｀ﾞ` : : ,
　　　　　　　　　　　　　　 `､: : :｀`～､、::..: : :',: ＞ : _＼}ﾉ=:／ : 冫 : : : : : : ∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: : : : : : :｀`: : : }i: : :._､‐''゛／: : : :/ { ＼: : : : : :∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ : : : : : : : : : }i ´ : : ／ : : : ／ヽＹ : ヽ: : : : :∨
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　【シノン】　ねぇ、君も一口食べてみない？

　　　　　　　分けてあげるから！

　【中堅】　あ、うん、いただきます。

┏
┃
┃　　勢いに押されて、男はうなづいてしまう。
┃
┃　　次の瞬間、予想外の光景に男の思考が止まった。
┃
┗
1052 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/07(土) 23:56:37 ID:s0rlO8Hk: アーン、だと…
1053 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/07(土) 23:56:49 ID:1xGuteDU: ┌──────────────────────┐
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│　　　　　　 /　/　　　7⌒ ト　　r__ｪr-ヽ-- 、　人　　　　│　　　　　　　 r'丿.　　　　つ)
│　　　　　 /　/ 　 l　/_,ニﾑ　r_ ュ/ --　Vl　　 l　l＼　　 │
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──────────────────────────────────────────────────
　【シノン】　はい、あーん♪

┏
┃
┃　　シノンはショートケーキを一口切り分けて。
┃
┃　　満面の笑みでフォークを差しだした。
┃
┗
1054 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/07(土) 23:58:03 ID:X6Xf01rG: シノンからあーん、だとぉ…！
1055 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/07(土) 23:58:52 ID:zchAsuQp: あまーい
1056 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 00:00:51 ID:pc+zsAF/: 　　　　　　　}}/////心、　　　　　　　　　　　_,,,_　　ノノ　　　　 /
　　　　　　 ∥ ｲ//// }ﾄ､　　　　　　　　　　　　 '＾　　　　　､′
　　　　　　 {/ j////,'八＼　　　　　…‐- .,_　　　　　　　　､｀
　　　　　　　　 {/// /: : : .　｀､　　　　　　｀ヽ　　　　　､`
　　　　　　　　 //, ′:;;:. :}h、｀、　　　｀ｰ　　　　　　､`
.　　　　　　 √Ξﾆ‐　.;_: :＼＼　　　　　　　　　　／
.　　　　　　 /ニニニニニﾆ‐ )h､＼　　　　　　_､‐゛
　　　　　　 _,.心ニニニニニニﾆﾆ‐)h｡,_　　 _､‐゛
　 _,,,.､rｾだニニニニニニニニニニニニア゛
──────────────────────────────────────────────────
　【中堅】　 ……うん、おいしいです。

　【シノン】　でしょう！？

┏
┃
┃　　甘くて美味しいのは分かったが、それ以上はよく分からなかった。
┃
┃　　はっきり言えば味なんかどうでも良いほど吹き飛んでいた。
┃
┃　　「あーん」の破壊力は、一撃必殺。男の心を、また撃ち抜いていた。
┃
┗
1057 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 00:03:57 ID:pc+zsAF/: 　　　　　　　　　　　　　　　 ,イ
　　　　　　　　　　　　　　　 /　|
　　　　　　　　　　　　　 {　ヽ　＿_
　　　　　　　　　　　　　 _　-‐＞┘　　　｀ヽ、
　　　　　　　　　　 _ - ´　　　　　　　　　　　　ヽ、
　　　　　　 -=　 7　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、
　　　　　　　　　　 /　　　　∧　　　　|＼　ﾍ.　　　　　＼
　　　　　　　　　　'　　　 |/　∨　 =≠　＼ﾍ　　　｢￣
　　　　　　　 '　　　　/ -―∨ =≠ ―- ∨　　　｜
　　　　　　　 ′イ　、 {　_ __ ＼|V　　__ _ } / 　 ∨
　　　　　　 |/　 |　 {ヽ|〃⌒　　　 ⌒ヾ|/ }　/､|
　　　　　　　｜　 |/[｡ヽ_ﾏ ""　丶　　 ""/_ﾉﾟ｡]
　　　　　　　　　〉丁｢＼　　r ｧ　　／/ 丁〈
　　　　　　　　 /　 l ∧く }＞- -＜{ >/　/　ﾑ
　　　　　　　　　　 |｜　、＼｀　ｰ=　 ´/／　,/　|
　　　　　　　　　 r|∧　､　┌ '　　　　 }　／ ,ｨ八
　　　　　　　 ,ｲ:.｀ｰヽ|￣　 -＝=ｰ　丁_／_ -‐ヽ
　　　　　　　　 /: : : : : : : :ヽ- ､　　　　 -r : ´: : : : : : :＼
　　　　　　　／: : : : :ｨ: : : :/┐ ｀￣ ´ ┌|: : : : : : : : : : : |
　　　　　／:/: : : : :/ : : :/:::::::＼ __ ／:::::V: : : : :{: : : : : :|
　　　　／: : : : : : :/: : : :/::::::::::::::::ｌｌ::::::::::::::::＼: : :ﾑ: : : : /
.　　 /: : : : : : ,イ7.: : :/:::::::::::::::::::||::::::::::::::::::::::∨: :|: : :/ﾊ
　　 /: : : : : : :／||: : :/=‐--‐<＼／>､:::::::::::::::::∨ |: :/ｲﾑ
──────────────────────────────────────────────────
　【シノン】　～～～♪♪♪

┏
┃
┃　　絶品の甘味を楽しむ姿に。
┃
┃　　めったに見られないであろう、子供のように無邪気な笑顔に。
┃
┃　　彼女が食べ終わるまでのしばしの間、ただただ、見とれていた。
┃
┗
1058 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/08(日) 00:04:10 ID:pyxJq6HB: そら撃ち抜かれるよ……！！（砂糖を吐きながら）
1059 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 00:05:00 ID:pc+zsAF/: ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;;::,;;,

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;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;;::,.;;:;:,.;;:;::....,,.,.
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;;,;:.:;;:;:.::.,,.
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;;:;;:.,;:,.:,.:.,,..,.,...:.,.:
1060 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/08(日) 00:06:39 ID:wy5fENVG: 砂糖の摂りすぎになっちまう
1061 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/08(日) 00:06:58 ID:beojnOkG: これは撃ち抜かれても仕方ない…！（砂糖ｺﾞﾌｯ
1062 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 00:10:48 ID:pc+zsAF/: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（　　ヽ　　　　　　――――　　○　　――――
　　　　　　　　　　　　　　　 ,　⌒ヽ　　　　(　　　　　）　　　　　　　　　　／/ |　＼
　　　 _ｎ___,､00　　 _ｎ__ｎ　　　 _ｎ___,､00　　 _ｎ__ｎ　　　ヽ⌒ヽ、　　／　/　|　　＼
　　 └i ｎﾄ､>　　└i ｒっ_）　　└i ｎﾄ､>　　└i ｒっ_）　　　　　　　）　　　　|　(⌒ 、
　　　 U Ｕ.　　　　Ｕ　　　　　　U Ｕ.　　　　Ｕ ⌒　　　　　　　　　ヽ　　　　　（　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　 (　　　　(⌒　　　　　　　　　　　　　　　　　　）　　　(
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　⌒ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,.,..,......
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（　　　　'　　　　　　　　　　ﾉ{　　　　　　　　　　　.ｒ‐'''"~ 　 |.|
~|¨|¨"i　|　　o　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ　　　　｀ヽ　　　_､+''"~ ￣　　ミｈ､　 '''''i――┐.　.|　　　　 |.|
. ! .!　 ! , ﾐく_）ттттr .h．.,_ｕ !!! |_|i` ､　(　　　　　　　＿／　　　 |　＼　　　　｀`　　　　　　..|　r.1. 　 .!.!
. ! ｰ!┌.. 卵}}.―‐r.-　　 .|. i⌒j―~┤ｒ-　_ ｭｮ"'　　　　　　フ　　　　 l　　　＼　　　　ﾐh､　　　　|　|^|　,...､ |
_ﾚさ/.|　. こﾊﾂ　 |　.|　　.|,<ゝ'＿ｲｨ_＿_.i⌒Ｌ　､．,．　　　 '　　　　　　　　　　ヽ　　　　 `～､　 ζ.ヽﾄ._,ｨ.| ,､ヽ
.　 ',ｉ .| ノﾆﾆﾊ、 ..|　.|　　.|l,.,_.|　　__　　　　　 |〉-.r '''''''　　 ,' 　 /　　　　　　∧　　　　ﾄ　　　 (⌒　ェ f_,.-'-亠,､(ノ
┌─r''1.i__.| ノ}.　|　.|_,...._,Ｌヽ.,'´　　ヽ‐_.ｉ1_┘､_i二二　　　 /　 /　　　　/　　　　 | ‘，　 ‘，　　 ~,.' .ｨ　　 i.i-
｜　 |_,.|ｺっ,,１i_　|　.|￣Ｔ,､mi　　　 i_ ,.7A.fヽ_――　　 |　/　　　　　　/　　　',　　　 ‘，.| 　＼　　/j　　　ﾄi′
⊥．⊥L．‐ ''" l　|　.|　 /皿皿` ．_,ィ(,,,,､)_., ､|ｽ.｢｢￣　　/　　　/　　　 / ~"''～ !　　,' '"~ } |　 {⌒　〈_　　　,' .|￣
- ．_　　　_,.．-'''ｰ-‐Ｌ」口 , -'"_ﾌζ(`ｰ'―`-'"~| l　 .|　 7 _ ／　.┌‐┐xｆ筏㍉ !　 / ｨ巧ｧ |　/　　~ l　､￣.ﾄ､|ニ
．_ _,.｀＞´　| .}_ｔ_　　　|,ｨ'＿＿｀'＿`´_`ー_―_''_'ﾄ.ト_''　 ⌒　!　/r .|::::: |　 Vｚｿ　}／　乂ｿ　∨　 | 　 l　 l',　.',
‐'"　　 |　._j　　　｢￣|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿　 |/|八├‐┤　　　　　 ` 　 | 八　　ﾄ.､　ｉ　l ',　.ｉ---
　　　 .|'　,．．．_,r''>-､　　　.| ｆ.Y iYﾞ､ヽ〉Ｖ.>ヽi i ﾉ┌.──　＼ |　　ゝ　　　　 _,,....,,_ 人　＼　　｀ l　l .i　.l"""
　　　 .レ rﾉヽr,>＜.ヽ,-ﾞ､､..|, 〉‐ﾝt ｿヽr">､ノ7-Y７　,.､　 _.,.　从　　　ト _。r≦　　　〕iト -､ `､　　､_ .l ト┤
　　　／､,>｀ﾄ､ﾉ_, ノ､( ヽ_ヽ‐/j　ｎ　.|l ,.-L__l ,r-__,..､l',(　__,<　),.　 _ ヽ　 ‘，　　　　　　　　ﾉ::::∨　　　　~ ｀"´
　／,,r''ヽ-'ヽ｛,r-_ノ.Ｙ　　|./,ｨ<ﾍ,ｲ< ﾞ､,'　|ノf　Y. Ｙ.¨)'i-(　　 -=ﾆ　　＼　　　_,,....,,_　　　.〈::::::::‘，
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ニﾆニ＼　　　　 | ＼_:_:_:_:_:_＼　　　＼: : ＼　　＼
──────────────────────────────────────────────────
　【シノン】　さて。

　　　　　　　この後はどう過ごしましょう、なんでも君の思うとおりに従うけど？

　【中堅】　いえ……そうですね、露店を見て回りませんか？

┏
┃
┃　　店を出てだいぶ冷静になったらしいシノンは、男を挑発するかのように問いかけた。
┃
┃　　空腹ゆえに昼食に関しては主導権を取って動いたが、約束上は彼の意思に沿うのが筋だ。
┃
┃　　望まれたなら昼からでも……と。しかし、男の答えは否だった。
┃
┗
1063 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/08(日) 00:13:51 ID:beojnOkG: 気持ちはわからんでもないが夜にはちゃんとあるわけだしね
今は憧れの人とのデートを楽しむ時間よ
1064 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 00:14:23 ID:pc+zsAF/: 　　　　　　　　　　　　／７￣￣＼
　　　　　　　　　　／／／￣￣＼
　　　　　　　　　　　 /　/／　　／ｘXxX}
　　　　　　　　 /　//　　 /xi／￣￣＼
　　　　　　　　　　/　//　　 /xi/　　　　　＼
　　　　　　＿/　//　　 /xi/　＿_　　　　 |
　　　　　　　 lヽｌ＿,|,|＿＿|xx| ／　O}　　　　|
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　　　　　　　　　＼ r――'　　　／　　　　 _／／　　　　　　　　＼
.　　　　　　 _「 ∧∨ /Ｏ　 ,/　　　　_／／´　　　　　　　　　　＼
　　　　　　／lllｌ|:.:..∧∨ /　 /　　　_／／　　　　　　　　　　　　　　　＼
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.　　　 ∨　　lｌｌ|　厂l 　＼ヽ＿o＿／／|　　　　／　　　　　　 |
. 　　　＼　「/. /　 |_　　＼＿___,／:::: |＿＿／　　　　　　　　 |
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　【中堅】　最初に言ってましたよね、時間は有限だって。でも僕は、焦ることないと思うんです。

　　　　　僕は、二人でゆっくり並んで歩いて、おしゃべりして……シノンさんのことをもっと知りたい。

　　　　　 ……月の女神の姿を拝むのは、それにふさわしい時にしたいです。いけませんか？

┏
┃
┃　　24時間「しか」ないのか、24時間「も」あるのか。男は後者に取った。
┃
┃　　憧れの冒険者と仲良くなりたいという思いも、彼女を抱きたいという思いも、両方が強く燃えていて。
┃
┃　　だから男は、どちらかを選ばないことを選んだ。与えられた時間全てを、全力で楽しむと。
┃
┗
1065 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/08(日) 00:15:14 ID:U2kqMUN1: 一日デートなんて単にヤるより貴重な機会だしなあ
1066 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 00:18:59 ID:pc+zsAF/: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '⌒ヽ::}
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ........-─‐ｊﾉ‐-....._
　　　　　　　　　　　　　　／::::/::::::::::::::::::::::＼⌒ト
　　　　　　　　　　　　＜⌒:::::::|< <＼∠＼::::::}ﾉ:::＼＼
　　　　　　　　　　　　　＿/:/:: ／|:::＼>仁ﾆ=ミ､::::|::::::::ヽ::.、
　　　　　　　　　　　　　／:::|::::仁_ｌ:::::::{ ´_ﾋ;;;ｸ″∨＿＿}::::ゝ
　　　　 γ⌒ヽ　　　　　⌒气〈(_ﾋﾌ＼「　　./././　| |O O|::::::＼_
　　　　　〉　　'⌒ヾ＿_　　∠W./ ′　　　＿＿_j_j　O j:::::::::::く
.　　　　　しヘ,,＿,ノ￣＿＿ _从　ヽ　　　＞:::::::￣￣::「＼r一`
　　　　　　　　　　　 ⌒７:::::/ /:::ﾍ、＿_＿_,∠／::::/:::: /┐|
　　　　　　　　　　　 {:::::/ /}:::＞'⌒~　＿／:::::::/:::／＿》》
　　　　　　　　　　 /⌒⌒⌒7　〈　　　　⌒_＞'⌒ ／|| O　＼
　　　　　　　 {ﾍ＿＿ﾉ L.　〉　　　　／─一'⌒　||＿＿O⌒ト __
　　　　　　　　　rtﾍ,＿＿＿_(_つ──=彳r─ ─┐ {　￣￣＼＿__⌒ト __
　　　　　　　　　|　　　　　　|／　　／￣|| ＼＿／　　　　　　　￣￣＼＿_＼__
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　　　　　　　　　l＿_＿＿_{::＼冂_／ ::::::||　　 }{　　　　　∧i:i:i:i:i￣＼_j　／　　　　]
　　　　　　　　 ∨ /　八《 [　]　》 ::::::||　　 }{　　　　〈　＼i:i:i:i:i 　 У　　　　 |
　　　　　　　　　　 ∨　　 ||Ｙ凵　⌒ー||　　　 -───＼　＼i:i:i:ｉ /　　　　　 |
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　　　　　　　　　 [＿从:::::.. 　　く ○ ／／　 >.,,___　　　|ｉ:ｉ厂￣　　　　/｜
　　　　　　　　　　　　／￣￣＼::::...　　 ^ｰく　＼／／／＼__ j:i厂￣￣￣￣＼|
　　　　　　　　　　／　　　　ヽ:::::..　　　　＼　　<_／／　　 )′ 　　　　　ﾉ
　　　　　　　　／　　　　　　　／＼::::.. 　　　＼　　／＿＿,/ __r─‐-　___,　/ |
　　　　　／　＿／￣　￣　　　 )､＿＿_　Ｏ /　/／　　　＼｜　　　 ∨У　|
　　　　　 /　／i:i:/　　　　　　　　 ∨￣＼＞────=ﾆ二￣|　　　　 {ｭ_ 　 |
　　　　　　{　/i:i:i:ｉ:{　　　　　＿r──ヤ⌒７　　　　　　　　　　　 |　　　　＿_)
　　　　　　{　i:i:i:i:i:i:＼　　／￣￣￣￣￣//　　　　　　　　　　　＼＼`ーｸ′/
──────────────────────────────────────────────────
　【シノン】　……バカ、かっこつけちゃって。

　【中堅】　かっこくらいつけさせてくださいよ。

┏
┃
┃　　彼はいつだって、純粋で、ひたむきで、まっすぐな想いをシノンにぶつけてくる。
┃
┃　　それが最近あまり見なかった種類のものだから、うっかりほだされてしまったな、とシノンは今さら気づいた。
┃
┃　　自分のルールを少し曲げてここにいる理由も。
┃
┗
1067 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/08(日) 00:20:59 ID:pyxJq6HB: あーいい……（尊みと砂糖で溶けてる）
1068 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/08(日) 00:23:24 ID:beojnOkG: ルールをまげてとな？
1069 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 00:24:09 ID:pc+zsAF/: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＼　―
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ _　　　　＼　　　＼_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜￣　／　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/　/ 　　／　　　　　　　　　　　r―
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _彡 /　/　　　'　　　　　|　|　, |　　|
　　　　　　　　　　　　　　 '⌒7　'　　　　 /ﾊ　　 | ミi|　|/　|　　　　 i
　　　　　　　　　　　　　 ⌒ヽ　 /　ｉ　|　￣/￣i　　７从――|‐　 '　　| ､
　　　　　　　　　　　　ｉ　　 ∨　　|　| 　┬==ミ　　j|　 ,x====- /__　j|⌒
　　　　　　　　＿　　　　　　　v⌒∧ |　　i　vリ＼从　 vリ /　/∵| 从
.　　　　／　　　　　＼､　　　廴/　ヽ(　 |ヽ　　　 ,ヽ　　　 /⌒ー /　ｉ
　　　　 (　　　　　　　　ヽ　　 ):＼　/__,人　　､　　 ,　 ⌒７　 /ij|ヽ
　　　　　＼　　　　　　　 }ミ==彡:::::＼____ 个　　　　　　　　ｲ　　　从
　　　　　　　　　　　―　　　ヽ::|i::::::::::::::: i＼＼　 ≧=≦￣i 　 /∨ ｉ
　　　　　　　　　　　　{ヽ　　__L　-――くヽ: ヽ　　　　　　 |　/ {　 /
　　　　　　　　　　〉　　　　　　　　　Y　: :ｉ　＼　　 x=x　ｉ＼∨ヽ
　　　　　　　　　　　　{　　　　　 _　　 ― <　|: :l　　￣↓=↓| 　ヽ人 _
　　　　　　　　　　　へ　　　'　　　　　　 i　|: ,:＼　　　　　　　／{: :〕: :ｉ
　　　　　　　　　　　 | |: |　　　　 ,,　―く　|/|￣￣＼i￣￣＼／: ＼: :|
　　　　　　　　　　　 | |: :＼　　　'"　　　ノ /: |: : :o: :.:||＼　　 /＼: : o:V
　　　　　　　　　　　　､＼: :ｉ　　　　, イ　/: :.:.＼＿／|＿〉　＼_∧==∧
　　　　　　　　　＼＼≧==≦ ／／: : : : :| : : : : |≧ ､　 /／ｉ: : : :ｉ
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　　　　　　　　　 /　　￣　　 /　|: : : : : : :| : : : : ﾏニ=人ニﾆ,|: : : :|
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──────────────────────────────────────────────────
　【シノン】　いいわ、負けよ負け。

　【中堅】　今のに勝ち負けありました！？

┏
┃
┃　　少し笑顔の軽くなったシノンと、彼女の内心を追いきれない（追いきれるわけもないが）男。
┃
┃　　二人で仲良く、露店を冷やかし始めた。
┃
┗
1070 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/08(日) 00:27:15 ID:wy5fENVG: 男の子はカッコつけてナンボよ
1071 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 00:27:19 ID:pc+zsAF/: 　　　┌─────────────────────────────────────┐
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ﾞl__i,,,,_＿i,,___＿.:.:.:.:.:.　ﾞi_(￣￣￣）＿i,,＿i,,__＿,_i,,,_＿i,,__＿_i,,,,_:.＿i,,,__＿　,,,i,,,,__,,＿i,,＿i,
＿i_＿,,__i,,,,_＿i,,__,＿i＿(二二二)＿__i,,,,_＿i,,__＿_i,,,,_＿＿i,,__,,_＿i,,,__＿i＿,,/::::`,,＿i＿,,
__i,,,,_＿i,,__＿.,,_＿i,,__＿_（；・∀・）＿＿_i,,,,_＿i,,__＿,_i,,,_＿i,,__＿_i,,,,_:.＿i,,,__＿　,,,i,,,,_ﾞl＿
,,_＿i,,,__＿i＿,,/::::`　　と　　へつ＿i,,__＿,_i,,,_＿i,,__＿_i,,,,_:.＿i,,,__＿　,,,i,,,,__,,＿i,,＿i,,＿
__i,,,,_＿i,,__＿_i,,,,_＿＿i,,__/　,（＿）＿i,,__＿i,,__.:.:.:.:.:.　ﾞl__i,,,,_＿i,,___＿i,,／Ｖ＼_i,,,,_＿:.＿i,,
,,_＿i,,,__＿i＿∩＿∩　（￣￣）＿　　∩__∩　,,,_,,,_＿i,,___i,,,,_　ﾞl,,_＿（・－・　）,,,＿i,,,__＿
ﾆiﾆﾆiﾆﾆiﾆﾆ（´∀`*:）ﾆﾆi）　（ﾆ.　　=o=g=` ）　　ﾆﾆiﾆﾆiﾆﾆiﾆﾆiﾆﾆi U 　 U ）ﾆﾆiﾆﾆiﾆﾆ
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┃
┃　　通りに店を構える商店と違い、露店は売り切れ即閉店。
┃
┃　　値付けも割といい加減で、みな値切り交渉を前提にしているフシがある。
┃
┃　　完全に一期一会の世界だからこそ、たまにありえない掘り出し物が売っていたりするのだ。
┃
┗
1072 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/08(日) 00:28:24 ID:beojnOkG: こういう露店だとたまぁに良い物あったりするよね
1073 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 00:31:12 ID:pc+zsAF/: 　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿　＿＿＿
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　　　　　　　　} 　V　.,___　＼　 /} .＿＼　}　　　}} 　＼}
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　　　　　　　　}／　}{〃んぅ　V　　' 芳ﾊ＾ｉ }　　　} } }　}　　　､
　　　　　　　　 }　/∧.弋ツ　　　.弋ツ　}/}　　}／　}＼＿/
　　　　　　　　「} ∧　}　　　　　　　　　　　/ 　/ } 　_j_V
　　　　　　　　}i}/} }.从　　　`　　　　　厶 ./　}「i:oi:i:}
　　　　　　　廴Ⅵ､　.＼　　　　　　　　　, } , .∧}}ioi:ｉo}
　　　　　　　　}　　}＼}､}＼　￣　　　_..イ_}厶　　}￣￣}
　　　　　　　 }　{　}　　ゝ―≧=‐　￣　　￣￣　‐ } 　＼}
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　【シノン】　こういうのは探すこと自体が楽しいのよね。

　【中堅】　探してない物がコロッと出てくるから面白い、というか。

┏
┃
┃　　とはいえ、運命が引き合わせない限りそんな物との出会いはないと言ってもいい。
┃
┃　　それでも彼らや多くの冒険者達が露店巡りに精を出しているのは、ここが気軽な交流の場にもなっているから。
┃
┃　　なにより冒険者とはそういう労をいとわず、十のうちの一の当たりに全力で喜べる存在だからだろう。
┃
┗
1074 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 00:34:29 ID:pc+zsAF/: 　　　　　　　 ,ィi〔　　　　　　　　　　　　｀　　　＼
　　　　　,　／　　　　　　　}l　　　　　　　＼　　ヾ、
　　　＜／　　　　　　　　　}l　　　　　　ヽ　ヽ　　 ,￣
　　　 ./ 　　 {　{　 :{ 　　　}l　　　　　ヽ　'　　 ':,　 !
　　　　'　　　　{　 ,　 {　　　八ヽ　　　　　V'　　 V　 ,
　　　 .'　.!　　 ,{　 ',　:{- ミ,'　＼:.、　　　 ,|　　 V、、
　　　 }　 '　 ' 八　 ',　{⌒7＿__　＼、　　　}　　　 Vヽヽ
　　　 }'　 '　|,'　 V斗、、'　　_ ,, .｀_ ヽ斗ｒ七:! 　　ヽ⌒__＼
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　　 /　ノ八:|f「「ﾊ' 、　{ヽ　乂ク’　!:::!:::0:_| 7ー-　ﾊｊ
　　￣　 } !::ヽ｀ゞｸ　＼{　　　^~　　　7^~´|ｆ/　　　/{
　　　　ﾚ|:::|ﾊ　 ~ j　　｀　　　　　　 /　　 :|　　 // ^
　　　　　乂|　:.　　｀　　　　　　　　/'|　　 |　　ﾊ{_
　　　　　　 |　人　　、　ノ　　　　 ,.:|　　　| '^~　 }
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　　　　　　 |　　 : |　＞- =≦　,.ィ　!　　.'　　　/{
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　　　　　　　　 ', |l　　　　　　　　　　ﾊ.　,　　　　　　}
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　　　　　　　　　　　、　　　 ,.。sく　　　　,. .:´: : : : V∧、
　　　　　　　　　／ー　^~　　　　　 ,. :´: : : : : : : :.V∧ヽ
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　【シノン】　君は何か狙いの目星がついてる？

　【中堅】　まさか。こういうのは手当たり次第ですよ。

　　　　　強いて言えば……面白い魔道具、それも小物の類がないかは見てますけど。

┏
┃
┃　　魔道具――魔術を込められた武器防具道具その他色々の総称――は、露店の名物と言ってもいい。
┃
┃　　ダンジョンで拾った人にとっては不要だった物、名のある魔術師による試作品から、怪しげな商人が売る偽物まで。
┃
┃　　質も中身も千差万別で、買う側の目利きも試される。
┃
┗
1075 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/08(日) 00:35:31 ID:U2kqMUN1: 気分はガチャだな
1076 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/08(日) 00:36:19 ID:beojnOkG: 今回の場合シノンに送っても問題ない奴を見つけたいところよなぁ。
指輪とかは銃撃つ時にじゃまになるだろうし首に引っ掛けるタイプのアクセサリーか髪飾りとかかしら
1077 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 00:37:43 ID:pc+zsAF/: 　　　　　　　　　　　　　　-=ﾆ＝─ =イ
　　　　　　　　　　イ　　　　　ﾐ _　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　 l　　　　　　ヽ
　　　　　　　 /　　　　　　　l　　　 i、　　ﾊ
　　　　　　　 l　　 l　　 l　　∧ 　　　l V　　ﾄ、
　　　　　　　 l 　　l　　 l　 /　V,　　 l　V l　 l⌒
　　　　　　　 l 　　l　　 l-/‐-　彡ｲ il ⌒V 　l
　　　　　　　人ﾉ__l　　 l./ 　　　＼　l ,ｧ=ﾐﾊ}
　　　　　　　　l ﾟ。l　　 l,ｨf云ミ　　ヽｲ:;..l　从
　　　　　　　 / ￣l 　　l弋_.:j 　　　　ゝ ' んﾊ
　　　　　　 /ﾍ　,ｲ　　人 ' ' '　　　、 ' ' 'ﾊ　lヽ
　　　　　　　　 }/ l /ヽ、ﾄ、　、　, 　ｲ、 ∨
　　　　　　　　　　l/　ハ{　　≧　 _,ｨ,ﾕ-、]
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　　　　　　　　l: : : : : : : ゝ、＿＿_ ヽ} ｨ` _┐;;;;;ﾉ　l
　　　　　　　　 i: : : :V: : : : : : : :ﾄ､ヽ / ﾊ: i　　　　 l
　　　　　　　　 }:: : : :i: r---┐: l　ヽV _,,l ゝ===-':ﾍ
　　　　　　　　/: : : Y: ヽ o／: : l;;;;;;;;{ };;;;;;;,: :i: : : : : : i
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　　　　　　　　　l: : : : 〉:.:.:.:.:.:.:.:.:.l └┐_r┘l: :l: : : : : : l
　　　　　　　　　l : : :/: : : : : : : : l　　　 l　　l: :li : : : : : }
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　【中堅】　せっかくですから、何か一つぐらいプレゼントを……と思って。

　【シノン】　あらありがとう。

　　　　　　　私もお返しを考えた方が良いかしら？

　【中堅】　くれるなら宝物にしますよ。

┏
┃
┃　　お返しを期待していたわけでもないが、そう言うのなら断る理由が全くない。むしろ欲しい。
┃
┃　　言うだけならタダとばかりに、男はちょっとだけ踏み込んでみることにした。
┃
┗
1078 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 00:41:28 ID:pc+zsAF/: 　　　　 ::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : .
　　　 : :　　　　　　　ﾊ　　　　　　　 : : .
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　　　 : :　　　し'´　　　　　　　　 : : .　　　　／_＿_l 　Ｖ＼＼_￣＼＿j,,,_／／/__
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　【中堅】　その、もし良かったら、ですけど。

　　　　　昨日使ってたあのイヤリングとか……ダメですかね？

　【シノン】　そんなに便利なものじゃないわよ？

　　　　　　　付けた者同士でしか反対側の会話聞こえないし、そもそもそんな遠くに通じる訳じゃないわ。

　　　　　　　たまたま私が仲間と状況やりとりするには都合が良いぐらいでね。
1079 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/08(日) 00:42:45 ID:U2kqMUN1: そういうことじゃないんだなあ
1080 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 00:44:15 ID:pc+zsAF/: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＼　―
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　　　　　　　　　　　　{ヽ　　__L　-――くヽ: ヽ　　　　　　 |　/ {　 /
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　【シノン】　……あ、分かった。それとも片方だけ貰って、いつでも話そうと思った？

　　　　　　　残念だけど、そんな使い方をするには有効範囲が狭すぎるわね。

　【中堅】　それを期待してなかったとは言えないですけどね……。

┏
┃
┃　　そういう見込みもあったが、出来ないなら不要という訳でもなく。
┃
┗
1081 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 00:47:38 ID:pc+zsAF/: 　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
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　【中堅】　もっと単純に、記念の、思い出の品として欲しいなと……

　　　　　思ったん、ですけど……左耳の方を……。

┏
┃
┃　　正直に白旗を揚げる。
┃
┃　　一応仕事道具だから望み薄だろうと理性は訴えていた。でも。
┃
┃　　彼女の告げた「なんでも」にすがるように口にした、かわいらしい願いは。
┃
┗
1082 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 00:49:20 ID:pc+zsAF/: 　　　　　　＿＿＿ﾉ : : :＼: : : { : : :ﾉ : : : : :―
　　　　　　　＼＿: : : : : : : : ＞ : :／ : : :＜＿＿＿＼＿＿＿__
.　　　　　　／: : : : : : : ／: : | : : : : : : : : : : : : :／ : : : : : : ／
　　　　　　 : : : : : : : ::／.: : : : : : : : : :＼＿ : :＜: : :＼ : :／
.　　　　　/ : : : : : : : : : : : : : : /.:＼ : : : : ＼￣￣ : : : : :ー――
　　　　 . :/: : : /: : : |: : : : : :/^| : : ＼{＼＿＼ : : : : : : : : :／
　　　　 |/:.: .:./: : : : |: : :|'"/￣|´"''ト .⊂ﾆ7_､斗--: : : : :＼
　　　　 /: :／ : : : : : |: : :| /　　|:.Λ|: : :ﾆ⊃ : : :|..: : : : :＼: :.＼.
　　　 .／: : : : : :Λ:|: : :|ｘｆ炸冬ミｘ{＼..:..:|.:ｘｆ炸ｘ:|: : | : : ＼⌒
　　／＿___／}:/:..:八 :人 _): )ﾘﾉ｀`　＼|:{ﾉりﾉ.:|: : |:.＿＿＼
　　　 /／|.: : : /:/^［C＼ :{ ＾'''^　　　　＼''　Λ|: : |
　　　　　 | : : : :｛（［ C）_＼ '' ''　　　ヽ　'' ''√:＼::|⌒|'＾|
.　　　　 | Λ| : :＼ :| : :￣|　　　　　　　　　　八: : : :＼. |　|
.　　　　　 /　 |: 八 : :| : : :八__..　　　＇ ′　ｲ | :＼: : : :＼.ﾉ
　　　　　　　 |//＾＼| { : : : :＼ﾆ-　　_ ..ィ(:ﾉ:.人{＼＼: : : :＼._
　　　　　　 /　　 |人: : : : : :＼　　￣￣　　　　 }＼｛￣
.　　　　　〈／ﾆ=-　 _＼:..: |￣￣　　　　　　　 Λ￣~^''＜／
　　　　　　 /＿＿　　ﾆ=＼|_　　　　　　　　／|ニ＼　　　∨
.　　　　　　 √￣￣＼　　　　　ﾆ=‐--------＜　 |二二＼　　「
　　　　　　　|　　　 ||　　　| ／　　厂＼ニニニ＼ |ニニニ＼ | ＼
　　　　　　　| 　　 /:||　　　| ＼＿／　　　＼二ニニニニニニﾆﾉ|　　＼
　　　　　　　| 　 //　||　　　|　　　　　＼　　＼二二{＿/￣|￣　|　　　＼
.　　　　　 ∨/　　 ||　　　∨　　　　　＼　　　＼ニ{　　　｜　　＼＿＿＼
　　　　　　　/　　　　||＿　　〉　　＼　　　　　　　＼＞―く　　　　　　＼￣］
──────────────────────────────────────────────────
　【シノン】　ふふ、分かった分かった。左耳の方ね？

　　　　　　　はい、なくしちゃダメよ？

┏
┃
┃　　あっさりと、叶えられた。
┃
┃　　ピクリと震えた男の手の中に、やさしく握りしめさせられる。
┃
┗
1083 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/08(日) 00:51:13 ID:beojnOkG: あらあっさり。けどもらえたのはうれしい
1084 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 00:52:22 ID:pc+zsAF/: 　　　　＼　　　　　　　　-―――-
　　　　　　＼　　　　　　　´￣￣｀
　　　　　　　　＼　　　　　　　 ,.￢ｰ-,ｯ-‐-　,,_
　　　　　　　　　　＼　　 _,,.-'ﾞ::: : : '"　　　　　｀丶、
　　　　　　　　　　　 `ヾ '"　　　　　　　　 :..,! _,,. --ｭヽ
　＼　　　､　　　　　　　　　　　　 ‐-=-''"　　〈.. ﾉﾞ:、
　　　＼　　｀　､　　　　　 ,,　　　　　　　　　／丶､ﾞ'ヽ
　　　　　ヾ:::::......　､　　 ''"　　　　　　　　　　　,.- '′　　｀く
　　　　　　ﾞ:､::::::　　.,,_　　　　　　　　　 _,.-''゛　　　、　　　　＼
　　　　　　／＞ -－''"｀`丶､､zz=＝''"　　　　　ﾞ､　　　　ヽ
　　　　／ィ'´ 　　　 ,'　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ、　　　　 i.
　　　／'゛/　　　　　　,'　　　　　　　ﾞ:、　　　　　　　ﾞ、　　　　 .i
　／　 /　　　　　　 i　　　　　　　ﾞ、　　　　　:、　　ﾞ:. 　　　 i
──────────────────────────────────────────────────
　【中堅】　あの、自分で言っておいてなんですけど、ほんとに良いんですか？

　【シノン】　いいわよ？全く代用が効かないものでもないし。

　　　　　　　ちゃんと別の手段はあるから困らない。安心して。

┏
┃
┃　　あっさりすぎて困惑する男をなだめるように、頭を撫でた。
┃
┃　　何も悪いことはしていないと伝えるかのように。
┃
┗
1085 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/08(日) 00:53:51 ID:U2kqMUN1: 女側からしたらかわいくてしょうがないだろうな中堅君
1086 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 00:59:24 ID:pc+zsAF/: 　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　 /　　　　{
　　　　　　　　　　　　/　　　　 l　　　　　　 V　　　　ﾊ　　l l　ヽ
　　　　　　　　　　　 ,'　/　　　　　　　　　　 i ﾄ、　　　 l　 l l　l　ﾊ
　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　l l__V__　　 l　l l　l　　ゝ、__　,
　　　　　　　　　 /イ　　 _,厶匕ﾍ　　　　　 l l　＼￣ヽl .l l　l　　　_　ノ
　　　　　　　　　　　 l　　　//　　　V　　　 Vﾉ　　　`ヽ _l　l l .l　　ゝ、
　　　　　　　　　　　 l　　/l/,ｧ==-ﾐ、ヽﾄ、 {　　_,ｨ===z,,l　lヽr---┐
　　　　　　　　　　　/　 / {ｲ　{ ///il　　　ゝl 　　 l///::l 〉 l　}////|
　　　　　　　　　　 / _ｨi　 l ,　弋_/ｿ　　　　　　　弋 _.:ﾉ从|ﾉl￣￣＼
　　　　　　　　　-‐ｲ//ﾑ　ﾄi　　 __　 _　 ,　　　　　　　　ﾉ　|　V　　　＼
　　　　　　　　　　／｀¨Y/.ﾊr-ｲ//Y/ﾑ- 、＿　　 , ィ l　:N　　Vﾍ　　　ヽ
　　　　　　　　／　　　/ /ｲ{-┘///////ﾑ　 `＜Vﾍl＼|　　　　　V　　ﾊ
　　　　　　　 ./　　　　 l 　 /l///////////l　　　￣￣￣ i　　　　ﾉﾊ /
　　　　　　　/イ　　ハ{　/　V //////////　　　　　　　　l　　　　　 /
　　　　　　　　 l　　 l　　　}___.V/////////　　　　__ -- 　_{
　　　　　　　　　,　　{ ／> 、　}//////// (ヽ- '￣_　_　　-ミヽ
　　　　　　　　　ゝイ／. . .l￣ -=　_///　＿　ィ. . . . . . . . . .ヽ ',
　　　　　　　　　 /￣]. . . /　　　　　　￣ }　　　 li. . . . . . . ┌‐┴l
　　　　　　　　　/ /´. . ./　　　　　　　　 {　　　ｨiil. . . . . . .└‐┐ ,
　　　　　　　　 / /　　　ﾐ=z__　　　　　　/　／　　lii. . . . . i. . . .. l　l
　　　　　　　　l　l. . . . . /　/. . ￣. .-==ﾉ　ヽ, ---iﾑ. . . . .ヽ. . . l　l
　　　　　　　　l　l. . . . /　/. . . . . . .. /ヽ　　/;;;;;;;;;;;;;liiiil. . . . .i. . . l　l
──────────────────────────────────────────────────
　【シノン】　……なんでも言うことを聞く、の約束のせいで、とか思ってるなら訂正しておくわ。

　　　　　　　後出しになっちゃうけど、言うこと聞いてあげられない事はあるのよ。限度がある。

　　　　　　　例えば……そう、ヘカートが欲しいと言われても、私はうんとは言ってあげられない。

┏
┃
┃　　特級遺物の管理は、当然だが厳格に定められている。
┃
┃　　国やギルドの許可無しにその所有権は動かせない。
┃
┃　　破ればどうなるかなど火を見るまでもなく明らかなこと。
┃
┗
1087 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 01:03:28 ID:pc+zsAF/: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾙレ'|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ﾒ/|/
　　　　　　　　　　　　　　　　　/ι'L/　フ
　　　　　　　　　　　　　　　　　l、＜ﾆ／´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノﾉ|ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　＜・／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　：
　　　　　　　　　　　　　　　　　＊
　　　　　　　　　　　　　　　　　 λ
　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ| ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾒ |　|
　　　　　　　　　　　　　　　　メ /_y'
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ/_ｙ
　　　　　　　　　　　　　　　　し'´
──────────────────────────────────────────────────
　【シノン】　でもこれはあくまで、あればちょっと便利な魔道具でしかない。

　　　　　　　これを手に入れる前は、別のものを使って同じ事をしていたわけ。
1088 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 01:08:57 ID:pc+zsAF/: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　--　 _　　＿
　　　　　　　　　　　　　_, 　　´　　　　　　、　／
　　　　　　　　　　、-_´,　　=- 　、　　　　　＼
　　　　　　　　　　　／　　ﾄ、　　`ヽ、_　　　＼
　　　　　　　　　　　　l　l　　l　ヽ{｀　￣　　　　　 r-
　　　　　　　　　　/　 l　l＼ {＼><_,, i　 V　　　　ヽ
　　　　　　　　　 / ｲl ゝli　= V,ｨ芯 7li 　〉,、　 l、＼
　　　　　　　　　　　l li　ﾄゝ_ム弋:ﾉ　l ﾚ;;;;;へ　 l,ヽ⌒
　　　　　　　　　　　',{ ＼{ '　　　 ' ' '' l/Y<　　｀_　-ﾐ
　　　　　　　　　　　　　 li　　_,　-　　　/ lﾄ、　　ヽ-､ヽ
　　　　　　　　　　　　　 l　ﾄ　　　　／,-┘~ ＼　N　ヽ}
　　　　　　　　　　　　　ヾKﾆ＞≦-'　　／〃-ヽ-、
　　　　　　　　　　　　　　ﾄ、　┌┐　　 7 /ﾞﾞﾞﾞﾞヾ;,,　ヽ
　　　　　　　　　　　　　//ヽ_＝v v＝＝ﾞ /: : : : : :ﾞ;; 　 Y
　　　　　　　　　　　　　l/: : : :lii￣il l`─ ': : ::、: : i;;; 　　 l
　　　　　　　　　　　　　V---li,　ril l ──┐V: : ヾ;;;,,,　ﾄ、
　　　　　　　　　　　　　 {ヾ,,;ィi;ﾊ<il l;;、 o ,,ｨ: : 、 : : : ヾ;,, ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　 l: :l /i;;{ };;;il l: :ﾞﾞYﾞ: :l: : :＼: : : : :;;　入　＼
　　　　　　　　　　　　　 }:/://＜＞=ﾍ: : }: /: : : /ヽ _,,,,;;;;ノ　l　　＼
　　　　　　　　　　　　／/://､ﾟo ﾟ_ﾉ il lト:l:/: : イ、　＼　　　/∧　　　＼＿＿
　　　　　　　　　　　/ﾆﾆﾆ ]　 li　　 r====ﾐ _:∧',　　 Y=-': : : : ヽ　　　　＼
　　　　　　　　　　　⌒＼T　　li　　└====-　＼ヽ　　ヽ: : : : : : ﾑ、　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　 /l　　lil　　　 l:::::l_,/_ ＼|　 '、　　ゝ: : : : : : ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　/7　　lil　　　 l彡 7　l￣li　　l　　　 V: : : : : : ＼　￣￣
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　【シノン】　それに……あぁもう、そもそも察しなさいよ鈍感。

　　　　　　　なんでこれ使いもしないのに持ってたと思ってるのよ……

┏
┃
┃　　シノンはいきなり小声で罵倒を繰り返しだした。
┃
┃　　喧噪にまぎれてよく聞き取れなかったが、結構ひどいことを言われた気がする。
┃
┗
1089 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/08(日) 01:09:54 ID:U2kqMUN1: グバッー！(砂糖)
1090 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/08(日) 01:10:01 ID:beojnOkG: …そういやそうだな。今回冒険っていうわけでもないし。
なるほど最初から渡すつもりだったのか
1091 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 01:12:25 ID:pc+zsAF/: 　　　　　　　　　　　　 .／　　 ∧　　　　　　　　　　＼　　＼
　　　　　　　　　　　　／ｵ　　/　　∧　　Ｖ　≧=-　　＿≧=―＼_
　　　　　　　　　 ./ ./ {　　{: 　　　＼　　、　　　　i　　￣｀ト-- 一
　　　　　　　　　 /　:{　{　　{　､.　　　＼　ﾄ､､　　 | 　　　＼
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　　　　　　　　　　　／　＞く＼' , 　　　 i　　　　 /ｲレ　{　 i｀ﾄ､　　.∧
　　　　　　　　　　 , 　　 /小∧:｀ﾄ､　　　　　　　　 ´ 八　./　∧:!　＼　　',
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　【シノン】　とにかく、君は気に病むことないの！

　　　　　　　それでもって言うなら、これに見合うプレゼントを探しなさい！

　【中堅】　もちろんです。

　　　　　でも僕だけじゃ見つかるか分からないから、シノンさんも一緒に。
1092 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 01:14:30 ID:pc+zsAF/: 　　　　　　　　、 _　_　　ゝ　=-　　 _
　　　　　　　　　＞　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　ト、
　　　　_　ィ　　　　　_, /　　　/l　　　　l　ヽ
　　　　　 /／　--＜//　ミ/> l、_l　　 l　ハ
　　　　／´/　 _ｨ==ﾐ l /／/=ﾐヽ/　　人　　 ,
　　　　　 /　　 `ﾄiVﾘl/　 ^ frci7>k　/　　　ム
　　　　　,/{ / lﾄ,{ ｀¨ ,　　　ゞ'' /／/、_　　_＞ヽ
　　　　　　l/ｨ ,^ｭ´´　　　　 _,r-v//　ﾊ　l　　　_　 ---=、
　　　　　　/八 -ﾌ、`　´ /_,ヽヽ}/＞从　＞　´　　　　　　`　-
　　　　　/ｨ　} 〉　.}个 -γ´ 　ノ_,-=l＜　　　　　　　 _
　　　　　　{/l^＼_l≧===i　 l´__　　_／^=-- 、　-=ﾆ　_ `　 --= '
　　　　　　ﾉ　　　ム木l` -- ' l: : : :／: :/^~^Y
　　　　　 └＝== l　￣l　　　 l: : :/: : : 〈　　 /--　　--、==　＼
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　　　　　　 l: :li　 l、Y ,ｨ　　li: l:/: : :7ﾐ、 >'　　　　　　　　ヽ　ハ
　　　　　 , : : li　 l;;;;{;;;;l　　 li: l: : :/　　/: :フ--ﾃ_　　　　　　　V
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　　　　　 V/　　人;;λ{　　L: /　／: : イ7　　/ /::::::::::.、　　　 V
　　　　　　 V ／: : <oo>、　　／: :イ　　{{ ／ >::::::::::::＞、　　　 V
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　【シノン】　そこは、「僕が見つけてみせます」って言うところじゃない？

　【中堅】　意地張るところとそうじゃないところの区別がついてるだけですよ。

　　　　　それに、一緒に探す方が楽しいと思いませんか？

┏
┃
┃　　笑い合いながら、二人で次々と露店を見て回る。
┃
┃　　さながら、花から花へと渡る蝶のように。
┃
┗
1093 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 01:16:19 ID:pc+zsAF/: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿___
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┏
┃
┃　　一時間以上、ぐるりと見て回り――
┃
┃　　【1D100:22】（高いほど良いもの発見）
┃
┗
1094 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/08(日) 01:19:09 ID:beojnOkG: ぬぅ、ダイスが渋い
1095 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 01:19:19 ID:pc+zsAF/: 　　　┌─────────────────────────────────────┐
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　【中堅】　 ……ここらで切り上げですかねぇ。

　【シノン】　そうね、あらかた見て回ったみたいだし。

┏
┃
┃　　談笑しながら、たくさんの露店を冷やかした。
┃
┃　　だが、残念ながら二人のお眼鏡に適うほどのものを見つけることはかなわなかった。
┃
┗
1096 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/08(日) 01:22:28 ID:U2kqMUN1: ドロップ品といい物欲センサーは中堅君に厳しい
1097 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 01:24:23 ID:pc+zsAF/: 　　　　　(＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (／}
　　　　 (＼､）､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ }ﾉ
　　　　　＼)＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／)_ノ
　　　　　　　　(＼＼)　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／ )
　　　　　　＼)(＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (／)／
　　　　　　　　＼､)＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _／)／
　　　　　　　　　　　 (＼＼)　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／(／´
　　　　　　　　　　　　＼＼（＼　　　　　　　　　　　　　　　／(／)
　　　　　　　　　　　　　＼)(＼)r ､　　　　　　　　　　　　　　 _(／ ) '
　　　　　　　　　　　　　　　　＼)＼＼　　　　　　　　　　 _／／／
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼(＼)_　　　　　　　／(／ )´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼)､＼､　　　 ,-(／) ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼(＼(＼r‐ ､/ /ノ )´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼)とー) }っ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀八V.ﾉ }´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀r'‐イ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , -┴‐┴-　、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ , -‐￢‐-　､＼
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　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/::::::::::Ｏ::::::::::::::::::::_｡∨∧
　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'　,':::::::::::::::`::::::::::::::::::/ﾉ:::::V∧
　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'　,'::::::::::::::::::`:::::::_,Ｏ´:::::::::::::',　',
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　　　　　　　　　　　　　　　 |　{::０´:::::::::::::::::Ｏ:::::::::::::::::::::::}　|
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　 V∧:::::::::::::::::::::::::`､::::::::::::::,'　,'
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＼::::::::::::::::::::::::::／／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ `ｰ-.＿_.-‐'' ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀`''ー―一''"
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　【中堅】　細工だけなら、割と良い感じのものはありましたけど。

　【シノン】　ただのアクセサリーじゃ、足りるとは言えないものね。

　　　　　　　今日はこれ貰って終わりにしておきましょうか。

┏
┃
┃　　トップに星座の刻まれたネックレス。
┃
┃　　期待したが、店主曰く魔力も何もこもっていない手慰みの品だと言った。
┃
┃　　結局デザインを気に入って買ったのだが、成果らしい成果はこれだけ。
┃
┗
1098 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/08(日) 01:26:22 ID:beojnOkG: 残念だけどプレゼントとしては悪くないものがあっただけいい方ではあるか
1099 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 01:27:38 ID:pc+zsAF/: 　　　　　　　 ,ィi〔　　　　　　　　　　　　｀　　　＼
　　　　　,　／　　　　　　　}l　　　　　　　＼　　ヾ、
　　　＜／　　　　　　　　　}l　　　　　　ヽ　ヽ　　 ,￣
　　　 ./ 　　 {　{　 :{ 　　　}l　　　　　ヽ　'　　 ':,　 !
　　　　'　　　　{　 ,　 {　　　八ヽ　　　　　V'　　 V　 ,
　　　 .'　.!　　 ,{　 ',　:{- ミ,'　＼:.、　　　 ,|　　 V、、
　　　 }　 '　 ' 八　 ',　{⌒7＿__　＼、　　　}　　　 Vヽヽ
　　　 }'　 '　|,'　 V斗、、'　　_ ,, .｀_ ヽ斗ｒ七:! 　　ヽ⌒__＼
　　　 '　　'　|⌒__'　　＼!　/^「j,~j{ｆ　|:::|0:::0:!、＼＿＼
　　 /　ノ八:|f「「ﾊ' 、　{ヽ　乂ク’　!:::!:::0:_| 7ー-　ﾊｊ
　　￣　 } !::ヽ｀ゞｸ　＼{　　　^~　　　7^~´|ｆ/　　　/{
　　　　ﾚ|:::|ﾊ　 ~ j　　｀　　　　　　 /　　 :|　　 // ^
　　　　　乂|　:.　　｀　　　　　　　　/'|　　 |　　ﾊ{_
　　　　　　 |　人　　、　ノ　　　　 ,.:|　　　| '^~　 }
　　　　　　 |　　个x.、　　　　 , ィ　 :|　　　'　　　 ,
　　　　　　 |　　 : |　＞- =≦　,.ィ　!　　.'　　　/{
　　　　　　　|ﾊ　ィ´　￣￣￣　　　 :|{　　,　　　/ ｀
　　　　　　　　 ', |l　　　　　　　　　　ﾊ.　,　　　　　　}
　　　　　　　　　,八　　　　　　　　／　 }/　　＿＿__く
　　　　　　　　　　　、　　　 ,.。sく　　　　,. .:´: : : : V∧、
　　　　　　　　　／ー　^~　　　　　 ,. :´: : : : : : : :.V∧ヽ
　　　　　　　　　 {　　　　　　　　,. イ: : : : : : : : : : : : V∧, ＼
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　【シノン】　でも、君にとっては良かったんじゃない？

　【中堅】　え、どうしてですか？

┏
┃
┃　　続く言葉に、男は笑った。そう来たか、と。
┃
┗
1100 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 01:30:06 ID:pc+zsAF/: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　、 __　　　-　フ-- 、￣ｦ - 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`　 -=ｧイ　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　 /l　　　l　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -=彡イ　　　 /　l　　　l　　∧　　　　　 l
　　 ,- 、　　　　　　　　　　　　　　　　/　/　　　7⌒ ト　　r__ｪr-ヽ-- 、　人
　　＼ﾉ＼　　　/^i　　　　　　　　　 /　/ 　 l　/_,ニﾑ　r_ ュ/ --　Vl　　 l　l＼
r -- -y＼: ＼ _{- {　　　　　　　　ノ／ﾉr-il　lｲ c示ﾊ　　ﾄｲf云ﾄヽ}＿　l　l、
と_￣ﾉ::ヽ::::::::::::i:::::::,　　　　　　　ﾌ_ ／　|ool .{　匁_ソ＼、{八ﾟﾞﾘﾉ lo oT V 、
　r -r:::`:::::::::::::::::::::::}　　　　　　　　　　ﾉLﾟ-ｲ l , , ,　　　、＼｀¨´ 人 o .l　ゝ＼
　￣　 `　、::::::::::::::{　　　　　　　　　 - イ　　lﾍl　　　　　　　　 ' ' '/ﾊ｀=-l从、＼
　　　　　　　ゝｭ::::ノ::]　　　　　　　　　　 li　　l 人　　`　 ‐- '　／彡l　　l八　⌒
　　　　　　　 [:::::::_ イ　　　　　　　　　　　li　　lﾉﾊ＼　　　　　イ/ Vl　　ﾄ
　　　　　　　　|　　　|　　　　　　　　　　 __l ヽ　l、从|　> -= ´/ V ＞/ l　l
　　　　　　　　l　　　l┐　　　　　　　 /　　 ] ﾍ l　` ─----==≦　／　l　|
　　　　　　　_,ｲ　　／ヽ　　　　　　/　／＼ヽﾐ、　　　　　＿__ノ　〉l /
　　　　　　　ﾄ、_／　　 Y　　　, ／_／: :l: : : :＼　　 7<>ﾍ'´　　　／　l/ﾌ -、
　　　　　　　|　　　　　ハ　　/: : ＼＼: }: : : : : :ﾄ7 、　__　ｭ-_　　ィ: : }　　l
　　　　　　　V　　 __／: : ト<: :、: : : ヽ　>: : : : : //　　　　　　liill: : :l: : /ﾍ　 l
　　　　　　　　`T: : : : : : :ﾉ:＼: : : : :- >´ﾍﾐ===ｨ/;;;;,,、　,　_,;;;lilir-- 、　 li　 l
　　　　　　　　　 ,: : : : : : : : : : : : ／　　/ ｀¨¨//ﾆﾆﾐ v ／ﾆﾆiil、: : ::}: : :li_　-┐
　　　　　　　　　　V: : :ﾉ : : : : ／　　　/: /: : //;;;;;;;;;;;;;ﾄｲ,,,,,,,,,,,liil: :トイ<:／ -= ┘
　　　　　　　　　　 {: : : : : ::／　　　　/: /: : ://;;;;;;;;;;;;;;;l l;;;;;;;;;;;;;iiil: : : :}<,イ: : :ヽ＼
　　　　　　　　　　　＼__／　　　　　/: : : : : :/l;;;;;;;;;;; ノli` ;;;;;;;;/i/: : ::ﾉ、　ト: : : :il　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ハ: : : : :://;_ ィ⌒ゝ-' ゝ_ {i/: : :.ｲ　,　 l: : : : :li　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＼: :// _) ゝ、ﾟ。ﾟ　,ィi/: : : : }　 l 　 Y: : : :li　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼_]/T::7　　}　　 /　{::l　_彡ｲ　 V　 {: : : : Y, l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　ﾊ:r' l:::l　　　ヽ- '　　l::[o__ ノ　　　V }: : : : : li l、
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 /　Vv::/　　　　||　　　T:レｲ　　　　　Y: : : : : :il/ ＼
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　【シノン】　これは君への宿題にしておくわ。

　　　　　　　次に会う時までに、ちゃーんと足りるだけの物を用意しておきなさい。

　　　　　　　時間はあるんだから、妥協はしてあげないわよ？
1101 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 01:30:14 ID:pc+zsAF/: ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;;::,;;,

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;;:;;:.,;:,.:,.:.,,..,.,...:.,.:
1102 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/08(日) 01:32:13 ID:U2kqMUN1: やったぜ
1103 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 01:35:40 ID:pc+zsAF/: 　　　　　　　　　　　　　　　 i|
　　　　　　　　　　　　　　 ─i|─
　　　　　　　　　　　　　　　 i|
　＼　│　／　　　　　　　　　 i|
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　　　　.,:;ソ.,_　　　　　　 ,i.,/ﾍ~~""''''ﾍ､　　　　_,.ゞ.,_,.ノ'"~"'(.,_,.ソ"~ '
人.,_,.)　　　⌒):､,_　　　 <／i~~""'''';;i'~
ｿ'`"~⌒ 'ー- ー' ~`"' ー|i:: i;;;|::|;;|:::l;|
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　_ _,. .､-ー'"~⌒ヽ⌒';ζ|i:: i::::::::/'//ﾍ　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.;'"~⌒'"~
　　 ~"'^(.,_,.ノ'"~`ヾ.,_ソ' |i:: i:::::/;// ::::ﾍ　　　　　　　　　　　　　　-ー､.,_, (⌒ヾ
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┃
┃　　行きたい場所がある、と言って案内されたのは、聖堂だった。
┃
┃　　大陸でもっとも多くの信者を抱える、聖教会の建物。
┃
┃　　鐘の音こそよく聞くが、男にとっては初めて訪れる場所。
┃
┗
1104 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/08(日) 01:35:42 ID:beojnOkG: さりげなく次また会おうって言ってくれてるやったぜ
1105 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/08(日) 01:35:48 ID:wy5fENVG: いい女だな。素直にそう思える
1106 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 01:39:32 ID:pc+zsAF/: . : |: : /:::| :::::::::::|: :∨::/:/:.::| : : : |.:.:.:/|　| ｀Ｙ:/｜::::|　| |　|　 |∧:.:|:::::|:::::∨::::://::::::|::::::::::::|∨::|::::::::::::
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　【シノン】　綺麗でしょう？

　【中堅】　ええ……知らなかった、こんな風になってるんですね。

┏
┃
┃　　ステンドグラスが、色鮮やかな影を堂内に落としていた。
┃
┃　　何人か信者らしき人が祈りを捧げているくらいで、静寂そのもの。
┃
┃　　二人の会話も、息をひそめたものになる。
┃
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1107 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 01:42:52 ID:pc+zsAF/: 　　　　　　　　　　　 -=　　、
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　　　　　　　　 |ｲ_´〉　/ 　ﾑ｀ｰ､　　　　/
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　【シノン】　少し、ここで座ってましょう。

　　　　　　　もうすぐ時間のはず。

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┃
┃　　長椅子に並んで腰を下ろす。
┃
┃　　何かを待っているのは男にも分かったが、さて何を待っているのか。
┃
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1108 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 01:45:53 ID:pc+zsAF/: .　　　　 /´￣ヽ　.　 /´￣ヽ　.　 /´￣ヽ　.　 /´￣ヽ　.　 /´￣ヽ　.　 /´￣ヽ　.　 /´￣ヽ　.　 /´￣ヽ
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┃
┃　　数分の後、段の上に白一色の服を纏った子供達が並び始めた。
┃
┃　　整列し、まばらな堂内の人に向けて一礼。
┃
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1109 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 01:49:22 ID:pc+zsAF/: 　　　　　　　　　　　　 Vk､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Vk､
　　　　　　　　　　　　　Vﾄ､` ー､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Vﾄ､` ー､
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┃
┃　　そして始まったのは――歌だった。
┃
┃　　讃美歌。この大陸に生きるものなら、誰もが一度くらいは聞いたことがある旋律。
┃
┃　　男の記憶の中にあるよりはるかに透き通った音が、天へと捧げられていく。
┃
┗
1110 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/08(日) 01:50:37 ID:beojnOkG: おー、子供たちによる讃美歌合唱か
1111 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 01:52:39 ID:pc+zsAF/: ♪:*:･･:*:･♪･:*:･･:*:･♪:*:･･:*:･♪･:*:･･:*:･♪:*:･･:*:･♪･:*:･･:*:･♪:*:･･:*:･♪･:*:･･:*:･♪

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┃
┃　　堂内を、白い音が満たしていく。
┃
┃　　男も、シノンも、目を閉じてただ聴きいっていた。
┃
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1112 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 01:54:39 ID:pc+zsAF/: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 γ⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -=｀ヾノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -=ニﾆﾆ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -=ﾆﾆﾆﾆ/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ 　 /二ﾆ
　　　　　　　　　　　　　　　 -=ニﾆﾆ/　　　　　　　　　　　 /＝=z ､　　　　　　　　 f　ヽ/
　　　　　　　　　　　　　　　 /ニﾆﾆﾆ,　　　　　　　　　　　　　 /-=ﾆ≦/　　　　　　　　 ` ｰ″
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　　　　　　　　　　　　　　　　　-=ニﾆY　　　　　　　　　　　〃　ヽ' .〃　ヽ'
　　　　　　　　　　　　　　 -=ニﾆﾆ/　　　　　　　　　　　　ゝ _ノ　ゝ. _ノ
　　　　　　　　　　　　　〈-=ﾆﾆﾆ/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /＝=z ､
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┃
┃　　やがて旋律が変わる。神のための荘厳なものから、ハンドベルも用いた楽しげな音色に。
┃
┃　　これもおなじみの、聖王女を讃える歌。
┃
┃　　かつて人心が荒れ果てた時に、自らの行いで人々を導いた聖王女のための歌。
┃
┗
1113 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 01:58:36 ID:pc+zsAF/: .　　　　 /´￣ヽ　.　 /´￣ヽ　.　 /´￣ヽ　.　 /´￣ヽ　.　 /´￣ヽ　.　 /´￣ヽ　.　 /´￣ヽ　.　 /´￣ヽ
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　　　ヽワノ.....　ヽワノ.....　ヽワノ.....　ヽワノ.....　ヽワノ.....　ヽワノ.....　ヽワノ.....　ヽワノ
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　【子供たち】　――ありがとうございましたっ！

┏
┃
┃　　一礼し、はけていく子供たちの足音で、ようやく現実に戻ってくる。
┃
┃　　一瞬だったようにも、とても長かったようにも思える、不思議な感覚。
┃
┗
1114 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 02:03:09 ID:pc+zsAF/: 　　　　　　　　　　　　　　-=ﾆ＝─ =イ
　　　　　　　　　　イ　　　　　ﾐ _　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　 l　　　　　　ヽ
　　　　　　　 /　　　　　　　l　　　 i、　　ﾊ
　　　　　　　 l　　 l　　 l　　∧ 　　　l V　　ﾄ、
　　　　　　　 l 　　l　　 l　 /　V,　　 l　V l　 l⌒
　　　　　　　 l 　　l　　 l-/‐-　彡ｲ il ⌒V 　l
　　　　　　　人ﾉ__l　　 l./ 　　　＼　l ,ｧ=ﾐﾊ}
　　　　　　　　l ﾟ。l　　 l,ｨf云ミ　　ヽｲ:;..l　从
　　　　　　　 / ￣l 　　l弋_.:j 　　　　ゝ ' んﾊ
　　　　　　 /ﾍ　,ｲ　　人 ' ' '　　　、 ' ' 'ﾊ　lヽ
　　　　　　　　 }/ l /ヽ、ﾄ、　、　, 　ｲ、 ∨
　　　　　　　　　　l/　ハ{　　≧　 _,ｨ,ﾕ-、]
　　　　　　　　 ___ ,ィ｀ヽ、　　　｀ﾉ;;;;;;;;;,,,、
　　　　　　　　{: : : : :＼　　ゝ--　〈;;ｨ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i __
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　　　　　　　　 i: : : :V: : : : : : : :ﾄ､ヽ / ﾊ: i　　　　 l
　　　　　　　　 }:: : : :i: r---┐: l　ヽV _,,l ゝ===-':ﾍ
　　　　　　　　/: : : Y: ヽ o／: : l;;;;;;;;{ };;;;;;;,: :i: : : : : : i
　　　　　　　　ヽ: : :i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l;;;;;;;;;;l i;;;;;;;;i: l: : : : : : l
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　【中堅】　これを、待ってたんだね。

　【シノン】　そうよ。良い歌だったでしょ？

┏
┃
┃　　すごかったね、と男は応じる。
┃
┃　　　　　　ﾎﾞｰｲｿﾌﾟﾗﾉ
┃　　繊細な少年高音が織りなす響きは、男が今までに体験したことのないものだった。
┃
┃　　心の澱が、いっぺんに洗い流されていくかのよう。
┃
┗
1115 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 02:07:28 ID:pc+zsAF/: 　　　　　　　　　　　　 ,．-_‐-＿_
　　　　　　　　　 -＝ｧ￢‐-〈: /: : : : :≦＝=-
　　　　　　　　　,. . :´: : : ｀＞ﾘ/ -‐: : ≧ ､
　　　　　　／: : : : : :／: : : {: : : : : :‐-. ._｀ｰ､
　　　　　 /:／: : : : /: : : : ｨ |､: : ｬー-r＜: : : : :＼
　　　　　　У:／: : :/: :/_.:/ |:.|: :ヽ: :＼: : : : ヽﾆ二
　　　　　 /／: : : : :|: :.|／｀∨､: : : :≠ : : : : : : : : :＞
　　　-=≦ : : : : ｨィ|: :,ｨ＝ミx∨: : :≠-―: : : : :<´
　　　　　 Τ: :/´ＥV: :| Vりﾉ　∨: :,ｨ=ﾐ: : :|: : :｢｀＼
　　　　 /∧:ヽ_{三ヽl　｀¨　　ヽ:.（り》:.N |ヽ＞
　　　　／´　}: : :.:|:.Τ[ "" 　　 '　 ,,,,/ヨ|.:.:|
　　　　　　 /イV∧:.|:.Ｌ_　　　ｰ　　 /三]l∨
　　　　　　／三= ヽ: :＼｀ヽ､_　＜ }∧: : ＼
　　　　　　 >'´. .｀ヽ、＼｢、　　＞-‐／＼: : 〉
　　　　　 /＝=ｭ . .､. ヽ　　｀ー┼＼′／ｰV
　　　　 |　　 ||/ . ﾍ. . .｀ー-､＿＿／f＼´. .＼
　　　　　 }　／||. . . .|└- '´. ∧≧ｘ　 /三∨ . . .}
　　　　〉　〃. . . .|. .∨. .∨.∧三ﾆ{〉ﾆ三∨. /.＼
　　　　　ヽ〃＝.==.|. . .∨. .∨.∧三/≧=彡∨ . . . ヽ、
　　　　　　 |=＝.===|. . . .∨. .∨.. .＼Ｌ_　 | 　 ∨ｏ . . ﾑ　　　　　　　　 _..．- ―‐- ､
　　　　　 ,. || . . . .|. . . . .∨. . ＞-‐.＼｀く　　　｀r―-､|　　　　　　　　_.. -‐ ´. . . . . . . . . . .ヽ
　　　　　　　} || . . . .ﾄ､. . . . . >'´. .-‐￢´　ヽ　　＼:／　　 __ .. -‐ ´. . . . . . . . . . . . . . . . . .ｌ
　　　　　　　| ||/ . . .ヽ{. . .／.／＝≪　　　　　ヽ　　{{ _.＞-/::/. . . . . . . . . . . ./. . . . . . . . . . . |
　　　　　　　|/》 . . . . .}∨. ./:ヽ　　ヾ､　　　_r=ュ=ァ::/　/::/. . . . . . . . . . . ./. . .／. . . . . . . .
　　　　　　　| ヾ､ . . . .|　∨: : : l　　＿ヾ､／::／　 /::/　 {:::{. . . . . . . . . . . ./. .／ . . . . . . . . /
　　　　　　　 ,　 }} . . N　　｀ー-|／三|／::／　　 /::/ 　 .{:::{. . . . . . . . . . ./／. . . . . . . . . . /
　　　　　　　　,　}}. . . .| 　　／|三|三|::::/　　　 {:::{　　 {:::{. . . . . . . . . ／. . . . . . . . . . . /―-　.._
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　【中堅】　ここには、よく来るの？

　【シノン】　ええ、タイミングが合う時は。

　　　　　　　……聖教会の敬虔な信者、って訳でもないんだけどね。

┏
┃
┃　　シノンは、ぽつりぽつりと語り始める。
┃
┗
1116 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 02:09:49 ID:pc+zsAF/: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂＿＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞''"⌒〉: : : : : ｝ｈ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／: : : ⌒“''*､: : ＼: : .`、
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　　　　　　　　　　　　　　　　_/: :.∥: : : : :|: : : : :V: :∧: : :乂
　　　　　　　　　　　　　 ⌒7: :|i: : : : :.:.|: : : : : :.}: :.∧: : 〉⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　 |i: 八: : : : 八: : : : : |: : : : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　八　r.＼: /x=＼|: : :.! ≧=-彡
　　　　　　　　　　　　　　　　　| ヽ:.'ﾉ　　　vｿ〔ニ〕ノ⌒＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　|: :|.人　　　　 / ⌒/／＿ノ〉
　　　　　　　　　　　　　　　／八人《＼´　ィ(: : :/⌒ｈ､　 ≧s｡
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　　　　　　　　　/≧=-　───‐=⌒ ＾＾＾　　／-_-_-_-_-_＼　　＼
　　　　　　＞/　 /＿＿＿＿＿　 -=　＾⌒ ´-_-_-_-_-_-_ ∧＼　　＼
　　　　＞''~i:i:i:{　 {{-_-_-_-_-_-_-_＿　 -=ニ二=-　 __-_-_-_-_'，.＼
　　　《〈i:i:i／乂乂/￣￣￣　´-_./＼　　＼{ ＼-_-_-_-_-_--| 　　ヽ
　　　乂〈/-_-_-_-_-_-_-.／-_..／　　＼　　Y〉⌒-_-_-_-_-_-|　　　〉
　　　　　ゝ'-_-_-_-_-_-_／＞''"　　　　　》＾ .||-_-_-_-_-_-_-.〈　　 /
　　　　　 /-_-_-_-_-_ ／　 ∨/　　　　　 /i:i: 八-_-_-_-_-_-_-_}　　/
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　　　　/-_-_-_-_.／　　-=≦　＼　／i:i:i:i:i:i八　　　〕≧=-彡　　　　／
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　／-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_＞========乂＿／ ≧　＞''"
-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-／-_-_-_-_-_-_-_　ィi〔＞''"-_/
-_-_-_-_-_-＿　-_-_-_.〈-_-_-_-._　 -=≦　　／-_-_-／
-_-_-_-／　　　 ≧=-　＼／　　　　　　　／-_-_-／
-_-_ ／　　　　　　　／　　　　　　　／　 -=≦
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　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　/　　　　　　〉
　　　　　　　　　　　　　　　　 ≧=-　　　　 ‐=ﾆ[
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　【シノン】　まだ冒険者になる前にね。

　　　　　　　聖教会の施設で、お世話になってた時期があるの。

　　　　　　　行き場のない子供たちと、食うにも困ってしまった大人たちの、最後の砦……。
1117 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 02:13:01 ID:pc+zsAF/: 　　　　　ミﾆヽ,,,ィ⌒＞⌒＞⌒＞⌒ i´￣｀＜⌒＜⌒＜⌒ゝ､,,,／ｿ彡
　　　　　　彡　 {{{　く　　く　　/ z-一'ー-- ､ヽ.　　Y　　Y　　}}}　　彡
　　　　　彡ノ　｀ー｀ー｀ー|./へ_｀ ´ _≦､ } ﾄｰー' ー 'ー＜　＼,,,ミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　｢Y ,,fﾗ,l　'　ﾋヌr,,ﾚﾍ
　　　　　　　　　　　　　 { （　こ_Y　Yこ´　 j )}
　　　　　　　　　　　　　　　　 tｲ| { ｨゝノ　丁 |.r/
　　　　　　　　　　y---─r-一{｣ヽ　ヾーっ　ｊﾉ {｣､＿＿
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　【シノン】　私のいた施設を仕切ってたおばあちゃんは、それはそれは元気な人でね。

　　　　　　　誰より早く起きて畑を耕し、みんなが寝静まるまで見守ってからランプの灯を消す。

　　　　　　　ちょっと……いえ、だいぶやかましかったけど、でも、とってもいい人だった。
1118 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 02:18:34 ID:pc+zsAF/: 　　　　　　　　　　　　 . -=. .ヘ´. .｀.ー. ァ
　　　　　　　　　　　　∠. . .´ . . . .＼. ._.∠. .＿
　　　　　　　　　-=彡. .′. . .i. . .､,. . ＼. . . . .＜´
　　　　　　　／. . . ｉ. . . . .{ . ｢. ￢=一. . . . .. . ヽ
　　　　　　 '. . . . . .|. . . ._.| . |. . . . . . . . . . . . . . .:.
　　　　　　／,. .|. . . . |v. . ._｀.ミﾄ. . . . . ､. . . .､. . . . . v
　　　　　　'イ. . .|. . . . | V.. .｀..ミﾄ＼. . . .'. . . ..i. . . . ミ=-
　　　　　 | . . { . . .从　　 . . . |　　_＼. .}. . . .|. . . .､. }
　　　　　 |. . , . . /　￣｀＼. ﾘ ´￣　　.|. . . .|⌒i. . .:.
　　　　　 |/ｲ .∨ 　仡t　　　　仡't　|. . . .|´ ﾘ. .} . ＼
.　　　　　　　 |. ..,ﾊ　弋リ　　　弋jリ .|. . . .レ'. . .ﾄ . . . ＼
.　　　　　　 i7|. ∧'i　　　　,　　　　　　　ﾚi. . .|/i . . |v ｀ー　｀
.　　　　　　 |/|/..}八 ' ' '　｀　　　　 ' ' ' ﾙ. . .ﾘ/|-=ﾆi
.　　　　　　 |/|. ..|'//>､　　　_　, 　　　　从..//｢ﾆ=-〈
　　　　　　 T. . .|V/'v､＼　　　　_｡r≦/| ./ 'v|T. . . .i
　　　　　　　 . .ﾄﾘ　 r=￢ .＞ . ´.. . . . . ..l/.｀ =-| . . . |
　　　　　　　ﾚﾍ,　rく. . ￣. . . . . . . . .＞. . _. . . . ﾍ . . |ヽ
　　　　　　　　　〈. . ｰ/⌒i＿. .=- ´. . . . . . ｀. .ー＼|._i
　　　　　　　 /l＼.'. . . ｣ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ＼
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　　　　　　ｉ: /.:/　　　　　　 r＜: : : : :＞. . _. :＜: :ヌ/ﾊ
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　　　　　　ﾉ.: .:|　ー'　　､￣,{: : : : |: : : : : : | .i ー-＝=＝-t
──────────────────────────────────────────────────
　【シノン】　その人が、口を酸っぱくして言っていたことがあるの。

　　　　　　　今の私を支えてくれてる言葉の一つ。
1119 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 02:24:30 ID:pc+zsAF/: 　　　　＿　､_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.　 ,./i,.
　　､ヽ、｀ヽi､ﾞヽ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,,.-‐'''""'''- ､　　　　　　　 /i／　'"´'´''"i,
　 ,r''´'　　　　　ﾞ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.-'".:.: : : 　　　｀ヽ、　　　 /　　　　　　ﾉ'i'
. ＜´　　　　　　ﾞ､　　_,,.-- ､　　 __,,,_　　　　　　　　 /:.:.:.:.:.:. : :　　__,,,. -- .,,,_ゝ､_,,,.-'､__　　　　　　 'ノ,
｀フ　　　　　　　　 ./｀'''7´　　　｀y´　　　｀ヽ､,.-‐''""'‐y'.:.:.:.:.:.:.:.:._,.-'"__,,. -''^ヽ､,_ヾ　ヽ　ヽﾞ､　　　　ソ
〈､_...... . . . .　 . ....:.:.〉､_l:..　　　　　　　　　 /''"　　　 l:.:.:.:.:.:.:.:.:/-‐''´　　　　　　 _,ﾞi　　　 |'':.. . ....:.:.:.:＞
　＞.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::／　ﾞ､:.:.:.:.:....:.:..　　　　　　　　　 i'ﾆヽ.:.:.:./ 　,.== ､　　　 i　,.=､'l　ﾉ:.:.ノ-､.:.:.:__=‐'"
　￣´-ニ',,. -'"　　　　　`‐ --''ﾞ､`.:.:.:.:.:.:.:.:.:..　　 . . ..l | | |.:.:.ﾉ　　,.=-=､｀' '　' _二, i'.:.:.:ﾉ'"　　￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､,,__,,,.-､.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l ! | |.:/ '‐‐（　　Oi　ﾞi　r' Oﾉ/_,ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞヽ､,,,＿,,{ﾞ､i,l |:.i,　 ,. ､`ｰ‐'　,. 　ヽ='　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿,,,,,.-''":lﾞ､'-'.:.ﾞ､ ' ´i'ヽ､__ノi_　　 l､／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　___,,,,r''":::::::::::::::::::::!:.:ﾞ､.:.:.:|　i　l i'､　　｀ヽ,ノi/￣￣｀ ''ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　 ,,.-''"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼.'i, !　! `､二ニﾆｿ/ ﾉ　　　　　　￣ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　 r'´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`‐-.,,_::::::::::ヽゝ,　　　　‐‐　 |r'　　　　　 ,.-'"／::::::ヽ、
　　　　　　　　　　　　　／｀'''‐- .,,,_:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::` ‐- .,,_ﾞ､__,,,,. -'ー‐'　　　　_,,.-'" ／::::::::::::::::::ﾞ､
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──────────────────────────────────────────────────
　【シノン】　『汝を愛せよ、汝の友を愛せよ、汝の隣人を愛せよ』って。

┏
┃
┃　　シノンは、一つ息を吐いた。
┃
┃　　それは、聖教会の有名な句の一つ……に似た言葉だな、と男は思った。
┃
┗
1120 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/08(日) 02:26:35 ID:wy5fENVG: 40秒で支度しな　じゃなくて本当に良かった
1121 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 02:27:19 ID:pc+zsAF/: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _..．-―‐-_､　 _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_／ -=‐　￣　　｀ｰ｀､＝=-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞-／ /　_　-ｰ　=- ／ ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　_／ｨ ´＿/　-‐　￣　　/ 　 ∧ﾑ
　　　　　　　　　　　　　　　￣// / ＼＿＿　 -ｰ / 　 /、ﾏﾑ
　　　　　　　　　　　　 |'{　!　　/　/ ∠／ｸΤヽ'r ､ヽ|= |
　　　　　　　　　　　　　 Vl.　ｲ　/　　/ 〈　/＼｣抄' /∧|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |∧ﾚ/／∧ / ｀　|　ﾄ､〈|/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　｢￣￣￣｀＞-‐ ､ V ﾑ　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　}=-ｰ　´ 　 _..．-ﾑ ∨ﾑ'´
　　　　　　 _ 　- ｧ‐=ﾆ二￣￣￣￣￣￣二ニ=‐ｧﾑｧ∨＼
　　 -‐ｧ ´　／----――――‐ｧ　　丁: : : : : : 》　《㍉＼′
／／　　／　_　--―ｧァ　７´＝＝＝===== ＝》､、ﾞ〒'"＼_
／　　／´￣　　　／／／ }: : :|: : : : : : : : : : : 〃〃-､　　ﾍ
　　/　　　　　_／ -'‐ ７　　ﾏ.: :|: : : : : : : : : : : ||　》: : :.＼　　＼
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. /＿　 -　ァ　￣　　　　　 /.: :ﾉ: : : : : : : : : : : : : }　　｀　ｰ _｀ー- ' ＿〉､　｀＼ァｬ､／三ミ}ヽ
/_　-‐　 ´　　　　　　　　 /´二 : : ‐-: :_: : : : : : :.ﾘ　　　　　　　ヽ : : : : : : : |　　 l ﾏﾑ三三ﾐ}ヾ′
　　　　　　　　　　　〈／　　｀ｰ､_: :｀ｰ､: :/　　　　　　　　　｀ｰ-　:_;/　　　|ノノ二三ﾐ}ヾ′
　　　　　　　　　　　／　　　／::=＝≧､: :.∨　　　　　　　　　　　　　　　￣￣　　　　　　｀′
──────────────────────────────────────────────────
　【シノン】　まず自分のことを好きになりなさい。

　　　　　　　そして、自分と同じように、友人たちのことを好きになりなさい。

　　　　　　　それから、自分の周りにいる人たちも、好きになれるようになりなさい。

　　　　　　　おばあちゃんは、いつもそう言ってた。

┏
┃
┃　　きっと、伝統的な解釈とは違う。
┃
┃　　でも大事なことだよと、笑っていたのだという。
┃
┗
1122 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/08(日) 02:30:42 ID:beojnOkG: いいこと言うなぁ…
1123 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 02:33:51 ID:pc+zsAF/: : : : : : : : :/ '; : : :ﾊ : : |: : : : : / ､: : : ;'　'∧: : : : : : : : : : : : : :'; : : : : :',　ヾ
: : |: : : : /　 '; : : :ﾊ:: ::|: : : : :;≧､＼_'　　.'∧: : : :ﾔ: : : : : : ﾏ:}!: : : : : :'/
: : |: : : /.　　 ';|:: :::ﾊ ::|: : : : ,: : : :｀ ;' 　　 '∧: : ::ﾔ: : |: : : ::ﾔ|:: : : : : ::'/
: : |: : /　　　 ';: : : ﾊ: ﾏ: : : |: : : : :;.　　　 '∧ : : ﾏ: :|: : : : ﾔ_:_:_:: : : : '/
: : |: /‐-　 _　 .':===ムﾏ==|: : : :;　　　_　 -‐…､:: ::ﾏ|:。r≦＞ ´|: : : : :∨ ,
ヽ i/　　___　≧ ';: : : ::ムﾏ |: : : ;_ =‐　　　___　　＼: :{{i:i:|i/ヽi:{__}!: : : : : :＼/
i:i:}! r≦:T: :≧s､:';: : : : : :＼ﾏ: :/　　, r≦乍ニ≧､　ヽ{:|:i|ﾑ_ﾉi:i:i:i|: : : : : : : : ＼,
i:i:}〈{　　:|__): : : :}ﾄ､ : : : : : : ＼'､　' ／　:{.__): : : }〃　,{:|:||i:i:i:_i_i:i |ﾄ､: ‐-====--
i:i:}　',　　∨: :{}: }!　∨; : : : : ﾚヽ　　　ﾏ: :{}: :ﾘ' 　 ,:{:|:||i:i:i{__):i_}: : :{　=-
i:i:}:　ヽ　　_=ﾆﾉ　　'∨: : : : :{　　　　　　__ﾏ:_:ノ　　/: {:|:i|i:i:i: ＜|､: : :∨
_|:}':,　　　　￣´　　　　＼＼: ∨,　　　　　￣　　 ./: ／￣: : : |: | ∨トミ_
: :|＼,　　　　　　　　　　　｀ '＼∨,　　　　　　　　 'イ: : : : : : : :|:v　:}ﾉ
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: :|: ﾑ　　　　　　　　　　｀　　　　　　　　　　　　　/':: :: : : : : : ::| ∨ /
: :| : :ﾑ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,:':;′: : : : : : : :| . ∨../
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: :|. . . . . . . . .=-　 _　　　　　　　　　 _ィ _ノ　´　| |: : : : : : : : : |　,/　　 //;＞, _
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──────────────────────────────────────────────────
　【シノン】　私が人間らしく、誰かを好きになれるようになったのは……

　　　　　　　たくさんの愛を注いでくれた、おばあちゃんのおかげ。

　　　　　　　あの場所と……さっきの歌が、私の原点、みたいなものかな。

┏
┃
┃　　おばあちゃんの歌はだいぶしゃがれてたけど、と付け足して笑う。
┃
┃　　その表情は、とても穏やかだった。
┃
┗
1124 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 02:38:27 ID:pc+zsAF/: 　　　　　　　　　　　　　　 . . :''"´￣￣ : : : : : .､
　　　　　　　　　　　　-＜: : : : : : : : : :ミ: : : : : : ＼
　　　　　　　　　　 /: : : : : : : : : : : : : : : :＼ : : : : : ＼
　　　　　　　　　／: : : : :.ト､: : : : ヽ: : : : : : : ､: : : : : : ＼
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　　　　　　　　 i : : ﾄ､: : : ', ´　 .ｨｆミ､: :{　__＿}: : : 「:￣: !
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　　　　　　　/イ: : ∧ｨfミ､:.', 　ゞ ' |: : |: : : : :|r}＼|: : /
　　　　　　　 |:/|:.Vﾊ乂}＼　　　/: :/|: : : : :ﾚ: : : :ﾊ{
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　　　　　　　　　　　／//　/　　 i i. . . . . .||. . . . . .',: : : :|| ￣　　ｰ､
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　　　　　　　　 ./. . /∧　{　　／::. V. . . . . 从. . . . .ﾊ: : :＼　　　 i
　　　　　　　　 { . . | |::::}　',　/::::::::', ∨. . .ｲ!. . . . . . .∧: : : ＼　　　',
　　　　　　　 .从. . | |::ｲ､|| >.{:::::::::::', ∨. . .}}＞-----.∧: : : : }＼　 ∨
　　　　　　　〉..| |＼ j|　／ー==', ﾏ"´. . . . . . . . . .∧: : : : ＼　 ∨
　　　　　　　　 ,._._}_|__ ､／　　　{{ (_). ._. ィ"´￣￣￣｀ﾍ: : : : : :ﾄ　　､
──────────────────────────────────────────────────
　【シノン】　だから私は、私のために戦うし、私の仲間たちのために戦うし、

　　　　　　　私の生きる街の、世界の人たちのために戦う。そう決めてるの。

　【中堅】　そっか。……すごい志だなって、眩しく思うよ。
1125 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 02:44:44 ID:pc+zsAF/: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―ｧ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿／ -＜: ￣｀`丶､
　　　　　　　　　　　　　　　　／ ⌒'／:. :. :.＼　　　　 :.＼
　　　　　　　　　　　　　　／:r'"　　　　　　　:.＼　　:.ヽ　:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　／ :. 人:.　　　　　　　　:. :ヽ:.　 :. :.　:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 ' :.　 :.　: ＼:.　　　 :＼　　　 :.　　:. :.　　:.
　　　　　　　　　　　　　 /　:/ :　　　　{:＼　＼ {､ :＼　　 :ｉ　 :ｉ:. :.､:.ﾊ
　　　　　　　　　　　　 ⌒/　　　　 :|:.: ､:.＼=:＼＼＿_ :.| _,人　:.＼
　　　　　　　　　　　　　　　 :. :.|　　 :.|∧:.＼===:{:／_＼＿:i::o::o:＼:.　＼
　　　　　　　　　　　　　　　ｉ :| :.|:.　　_|＿＼:.＼ :.|　ｨｆ行不 |､／:.　:.＼￣
　　　　　　　　　　　　　　　|/| :.ト＼　{ ,ｨ示㍉ {＼　　ゞ-':Vノ＼　 :. : ＼
　　　　　　　　　　　　　 '　| :.|__o::＼乂ソ　`　　　 "" 　ｉ :. :|:.ヽ　　:|⌒
　　　　　　　　　　　　　 , :八￣￣:.ﾊヽ'""　　' 　　　人 : |:. :ﾊ　 :|
　　　　　　　　　　　　　　　/／⌒ヽ:.　 : :.､　　　　_　 '　／ｉ　 :.ル'　ｉ　.:,
　　　　　　　　　　　　　　　'　　　　ヽ:　　 ≧　　.,__ イ -=从:/　＿| :./
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -＼:.　　＼ﾉ} ＿_　　／７´　　:/ ＼
　　　　　　　　　r―――― /　　　＼:.　　ヽ_〉　〈,／／
　　　　　　　　　　　ハ　　　　 / 　　 _＿＼:. {V　　ノ　＿　　　　　　　 ',_
　　　　　　　　＿　 /　ｉ　_ -_-,/　　{／///＞ヽ|　 __r'' ///∧　　　　　　　ｉ-_- _
　　　　　　／<＼ヽヽっ_/,,,／/ ／-==ミ＜　　 } ／ ///////∧　/　　　　｜-_-_ヽ
　　　　　_{/∧ ﾄ _)Ｕ_-/|_-ｉ_//'"　　　　＼＼__j'"/／￣￣`丶､∨,　　　ﾉ'"_-_=/
　　　　ノ |// Y//_-_ /-_-_:, , --　､　　　　 / /,／　　　＿　　＼:ｉ　　／'"_-_-/
　　　　| ＼//// |_-_-_-_-∧ｉ/////＼　　 L/' 　／//////＼ / |　　ｲ_-_-_-_,/
　　　　l　　￣,-_|_-_-_-_ /,八////// ＼_　∧,／ //////////i_,Lノ_ |_-_-_-ノ
　　　　| 　　 -_-l_-_|_-_-_/_- ヽ/// ／　――＼/////////ｲ_{_／|_-|７￣ |
　　　　＼＿_{_-,/_-_|_-_-_-_-{　 }￣人　　　　ノ＞―=≦== ７_-_|_-|_-/ /
　　　　　 }_-/_,/-_-_-_-_-_-,, トｲ　　　ｔ==彡　　〈-〈　　　／_-_-|_-|_/ /
　　　　ヽ,／_-_-_-|_-_-_-_-|__|　　　　 /　　　　　　ト― イ_-_-_-/_ /_'Y
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　　/＿__／　　　　　　 ∧'　　　　 -=≠ﾆ　　　　 |i　　／ﾆ／_-,／|
──────────────────────────────────────────────────
　【シノン】　……そして、それは華姫でも同じ事よ。

　　　　　　　自分のために、気心しれた人のために、命を預け合う誰かのために。

　　　　　　　私はこの体を使う、それだけのことなの。

┏
┃
┃　　そういって、シノンは少しだけ服をはだけさせた。
┃
┃　　肌面積が急に増えて、ドキッとさせられる。
┃
┗
1126 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/08(日) 02:46:20 ID:beojnOkG: ｶﾞﾀｯ
1127 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 02:51:02 ID:pc+zsAF/: 　　　　　　　　　　　　　　　／(＿＿＿__
　　　　　　　　　　　　　―（: : : : : : : : :＜
　　　　　　　　　／: : : : : :V: : : : : : : : : :＞
　　　　　　　　　/: : ／: : : : :（: : ＼＜: : : : : ＼
　　　　　　　　　: : :': : : : : : /: : : :―: :＼: : ＼⌒
　　　　　　　　ｉ: :/: : : |:{: :Ａ -＜: :.:ト: : : : : : :＼
.　　　　　　_ﾉ:/: : ／i.:∨ｨ==ミ＼!付Ｙ:|.: :/⌒ヽ
　　　　　　　 ⌒: : : : :ﾊ: : 乂ツ　　　 ' :::}人（
　　　　　　　　 } : /: 乂V: ＼ ::::　　, ｧ八: ＼_
　　　　　　　　ノ: /: : : : :{: : : <⌒=‐--' ミ : : 〈⌒
　　　　　　　 ⌒７⌒ヽ(:人: : : :＞ r―< {　＼: ）
　　　　　　　　　　　　<　／￣＼/_＼ i八＼:〈
　　　　　　　　　　　 Y￣}＿.....V//≧<ﾊノ¨¨´￣￣＞､
　　　　　　　　　　　　　{　　　 |......∨//// }ヽ　／￣／:::::::::.
　　　　　　　　　　　　 ∧　__ /...../.}￣￣￣〉〈／ /::::::::::::::::i
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　　　　　　ノ　/ /.........................ｲ.ﾊ　〉　　､　　　~"''～､、＼　　　　／
　　　　　　 , 　／∨....................../..../ ﾉ___{＿　　＼＿＿＿＿＼――=彡
　　　　 / ／　　 }..................／_／'　／　　　　／￣￣￣￣~ -=-――――――
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　　　 /　ｉ　　　　　　￣:／／ /￣〉---／　　　 -=二二二=-------＞-　.,,＿＿
　　　 ,　　 |　　　　＜Ｏ_／　　 / =-　 _　-=二=- _-_-_∨, ...........／...／..................
　　　ｉ　人　　　　　' 　　　 { 　 _　-=ﾆ=- _-_-_-_-_-_-_ ∨, ............................__＿＿
　　　 |　　　＼　　/　　　　　　> -=ﾆ=- _-_-_-_-_-_-_-_-_-_＼_ -=ニ=- _-_-_―|..
.　　八　　　　　　　　　　_ -=-　イ _-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_ , _-_-_-_-_-_-_- |..
　　　　､　　　 ' 　　_ -=- _-_-_-､ _-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-／ _-_-_-_-_-_-_-:∧.
　　　　　＼　　 :.　_ -= _-_-_-_-_-_:＼ _-_-_-_-_-_-_-_- イ _-_-_-_-_-_-_-_-/=/＼
　　　　　　＼　　∨／ _-_-_-_-_-_-_-_}＞‐-=ニニ=-＜ _-_-_-_-_-_-_-_-_-, =,
　　　　　　　　＼ /' _-_-_-_-_-_-_-_-_:人＼_-_-_-＼ _-_-_-_-_-_-_-_-_-_イ／
　　　　　　　　　 , _-_-_-_-_-_-_-_-_　-―:＼ `～､、_-＼ _-_-_-_-_-_- -=:／
　　　　　　　　 -_-_-_-_-_- ,､丶`_-_-_-_-_＞――r '"⌒＼-=====-
　　　　　　　　　 { _-_-_-_- ／ _-_-_-_-_-_-_-_-_-_ :,　　　　　＼　　　　　　　　／
　　　　　　　八 _-_-_- ' _-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-∧　/　　　　 `　　.,_ 　　＿／:::::::
　　　　　　　 /＼ _-/ _ - -―――――--=彡'　∨ /　　　　　　　　　￣￣￣￣
　　　　　　　　 /.........∨／　　　　　　　　　　　　　　 ∨
──────────────────────────────────────────────────
　【シノン】　そろそろ行きましょうか。

　　　　　　　今から食材を買いそろえて、夕ご飯は手料理をごちそうしてあげる。

　　　　　　　そうしたら……良い頃合いになるんじゃないかしら？

┏
┃
┃　　立ち上がって出口へ歩き出すシノンと、弾かれたように後を追う男。
┃
┃　　詰め込まれた情報に今日何度目かの思考停止を起こしかけたが気合いで持ち直させて。
┃
┃　　夕食のリクエストと、その先を考えていた。
┃
┗

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　　　　 └─┴─┘└──┴──┘└──┴─┴┴─┘└─┴┴┴─┴──┴──┴──┘└┘└┘└┘
1128 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 02:53:18 ID:pc+zsAF/: 　　　　　　　　　　　　　　　,,, -;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i
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　 l　　　　　　　ヽ　　 /　　　　;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
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　　i　　　　　　　　　　　　　　　　　　彡l　　　　　　今日はここまで！
.　　l　　　　　　　(・)　　(・) ､　ヾ　　Ξ/　　　　　　ここまでが前編で、明日は「本編」！お楽しみに！
　　 i;;;;;;;,,,　z　ｎ､__,-----‐' iﾚ l､　ﾆ/
　　ヾ;;;;;;;; jヾ　　　　　　　　ｍ　l､／,‐¨¨ｰ-､_　　長時間読んでくれて、合いの手もたくさん入れてくれてありがとう！
　　　ヾ;;;;j　　ｍ　　　　　 ,,,,,,;;;;;;l''　　／￣　　メチャメチャ助かるで！！
_,-'¨￣ヽ,ｊ　　　　　　　　　　;;;;;;;;;;;;;;;l¨￣
　￣丶_,-lE　　　　　　　　　　;;;;;;;;;;;;l　　　　　　　　んじゃ、またね！
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　　　　　　　　　　　　　ヽヽ　､__
　　　　　　　　　　　　　　ヽ｀ｰ'　了
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1129 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/08(日) 02:55:38 ID:wy5fENVG: ごはんにする？お風呂にする？それとも

全部ですねわかります
1130 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/08(日) 02:57:07 ID:beojnOkG: 乙ー
シノンの手料理だと…！？これは期待するしかねぇ！
1131 ： ◆LU4TEl6xak ： 2020/03/08(日) 02:59:31 ID:pc+zsAF/: （誠に申し訳ないが、今回は1レスで食べたで終わりやで……＞手料理）

（あーんリターンズをやるにはワイのAA力が足りない……）
1132 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/08(日) 03:02:15 ID:beojnOkG: なんと、それは残念。
1133 ：名無しさん＠狐板： 2020/03/08(日) 03:07:44 ID:wq/fJkVZ: 乙、明日が楽しみ

ボクのHな夏の思い出〜お姉ちゃん達と過ごした八月〜

1,760円

真・女神転生オタクくんサマナー　～世界滅亡パパ活計画を阻止せよ！～　第876話　happy happy end 2

匿名（11月21日 20:28）

こちらアメリカは西海岸、片田舎の日本料理屋の「日常」でございます　第810話「セシリアの一日」

匿名（11月21日 19:38）

こちらアメリカは西海岸、片田舎の日本料理屋の「日常」でございます　第809話「並んだメニューに他意は無い」

匿名（11月21日 19:36）

こちらアメリカは西海岸、片田舎の日本料理屋の「日常」でございます　第816話「空を見たい」

匿名（11月21日 19:29）

こちらアメリカは西海岸、片田舎の日本料理屋の「日常」でございます　第818話「Death！　デスっ！」

匿名（11月21日 19:27）匿名（11月21日 16:29）匿名（11月21日 13:38）匿名（11月21日 11:03）

こちらアメリカは西海岸、片田舎の日本料理屋の「日常」でございます　第814話「これでカツる！」

匿名（11月21日 19:18）

やる夫スレ本棚でまとめて欲しい作品アンケート

スレ本棚管理人（11月21日 19:13）匿名（11月21日 19:12）匿名（11月20日 01:23）

君は異世界で生き延びることができるか？　第8話

匿名（11月21日 19:04）

総統閣下の矯正官　第37話

スレ本棚管理人（11月21日 17:28）匿名（11月21日 15:13）

やる夫はルドラサウム大陸の貴族のようです　第13話

匿名（11月21日 17:10）

手垢がつきまくったクラス転移もの　小ネタ11

匿名（11月21日 15:34）匿名（11月21日 12:03）匿名（11月21日 10:29）

やる夫の奇妙なTHE IDOLM@STER　第46話

スレ本棚管理人（11月21日 14:14）匿名（11月21日 13:52）

彼は聖剣に転生するようです　第九章中編その9　星に願いを☆嘘にはNTRを！？とどけ不運と奇跡のラヴソング♪

匿名（11月21日 13:20）

真・女神転生オタクくんサマナー　～世界滅亡パパ活計画を阻止せよ！～　第875話　happy happy end

匿名（11月21日 01:22）匿名（11月20日 21:37）

できる夫は聖杯戦争でやらかしに来たようです　第8話

スレ本棚管理人（11月20日 22:40）スレ本棚管理人（11月20日 22:40）匿名（11月20日 22:02）匿名（11月20日 21:59）スレ本棚管理人（11月20日 21:05）匿名（11月20日 17:47）

こちらアメリカは西海岸、片田舎の日本料理屋の「日常」でございます　第410話「害獣は消毒だぁ～！」

匿名（11月20日 14:55）

時間停止探索者やる夫　番外編ストーリー要約＋補足

匿名（11月20日 13:32）

手垢がつきまくったクラス転移もの　第69話

匿名（11月20日 09:53）匿名（11月20日 07:37）匿名（11月20日 03:38）

こちらアメリカは西海岸、片田舎の日本料理屋の「日常」でございます　第817話「真夏の夜の・・・」

匿名（11月20日 09:13）匿名（11月20日 09:06）匿名（11月20日 08:13）匿名（11月20日 07:58）匿名（11月20日 05:40）匿名（11月20日 01:47）

悪徳領主カズマの異世界転生もの　第76話

匿名（11月20日 07:54）

真・女神転生オタクくんサマナー　～世界滅亡パパ活計画を阻止せよ！～　第874話　皆殺しの救世主　１

匿名（11月20日 07:47）匿名（11月20日 00:03）

よくある異世界オンライン　第3話

匿名（11月20日 05:50）匿名（11月20日 00:54）

英雄王とぼんくら王子　補足

匿名（11月20日 05:09）

君は異世界で生き延びることができるか？　第7話

匿名（11月20日 02:19）

やるやらでっきーのメガテンアテリアル　第236話

匿名（11月20日 00:28）

絶対寝取られない！　対魔忍ユキカゼ！

匿名（11月20日 00:00）

月	火	水	木	金	土	日
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4 (51)	5 (54)	6 (11)	7 (50)	8 (57)	9 (53)	10 (51)
11 (54)	12 (50)	13 (56)	14 (44)	15 (53)	16 (50)	17 (52)
18 (51)	19 (50)	20 (56)	21 (51)	22	23	24
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地下遺構大迷宮と女冒険者達　シノン編1：第6話

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